『ウルトラマン』誕生の秘密を解き明かすスペシャルトーク! 鶴川グローイングアップ映画祭(11月24日開催)にて、飯島敏宏監督クランクイン作品3本上映

●『ウルトラマン』の世界観を作り上げた飯島敏宏監督

 先日8月26日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドジャースタジアムの始球式に、初代ウルトラマンとバルタン星人が登場。日本のニュースでも取り上げられて話題を集めた。また今夏、日本でも大ヒットを記録した『スーパーマン』のジェームズ・ガン監督が以前「東京国際映画祭」で来日された際(2014年)、「幼少期、『ウルトラマン』に夢中でベビーシッター代わりだった」と明かして、ウルトラマンとバルタン星人と仲良く記念写真を撮ったのが当時ニュースとなった。

 もはやワールドクラスの人気を誇る『ウルトラマン』だが、来年2026年に生誕60周年を迎えて、現在あらゆる場所で記念イベントが実施されている。そんな中、11月24日に開催される鶴川グローイングアップ映画祭で『ウルトラマン』クランクイン作品3本が一挙上映されることが決定した。

『ウルトラマン』は、第2話「侵略者を撃て」、第3話「科特隊出撃せよ」、第5話「ミロガンダの秘密」の3本同時進行の撮影でクランクインしたのはファンの間では有名な話。監督は放送局であるTBSから出向という形で円谷プロに参加した飯島敏宏氏であり、後年、木下プロダクションの社長となり、一大ブームを巻き起こした『金曜日の妻たちへ』(1983年)を手がけたことでも知られる、TVドラマ史におけるレジェンド中のレジェンド。その業績は『ウルトラマン』も例外ではなく、特に第2話「侵略者を撃て」ではウルトラマンの永遠のライバル、バルタン星人を登場させて視聴者に多大なるインパクトを与えた。

 昭和ウルトラマンシリーズは本編と特撮をそれぞれ別の監督が担当する2班体制が通常なのだが、『ウルトラマン』クランクイン3本に関して、飯島監督は本編を撮り終えたあと特撮現場にも立ち会ったという。
 今では当たり前の「巨人vs怪獣」という構図も、当時はまだ誰も見たことのない前代未聞の映像表現であり、特技監督の的場徹氏はどのように撮影すればいいのか戸惑い、「怪獣の殺陣師を呼んでほしい」と要望。飯島監督は「僕がやりましょうか」と手を上げて、特撮の演出にも関与したと言われている。スペシウム光線の発射ポーズを考案するなど、『ウルトラマン』の世界観と、そのビジュアルイメージを根底から作り上げたのだった。

 なお鶴川グローイングアップ映画祭は生前の飯島監督がスペシャルアドバイザーとして関わっており、『ウルトラマン』関連のプログラムが毎回実施されていた。また本映画祭では小学生に向けた特撮映画ワークショップも行われ、バルタン星人の生みの親でもある飯島監督は指導者として「バルタン星人に込めたメッセージ」を語り、「怪獣を通して、どんなテーマを語るのかが大事なんだよ」と怪獣映画を作ってみたい子供たちにアドバイスを送っていたという。

●平成ウルトラマンシリーズの小中和哉監督

 『Single8』(23年)などの映画監督であり、また平成ウルトラマンシリーズにも数多く参加した小中和哉監督は、飯島監督を敬愛し、師として仰いでいた。
 その関係から生前はあらゆる面で飯島監督のお仕事に協力を惜しまず、2011年公開の飯島監督晩年の映画作品『ホームカミング』では監督補として尽力。また小中監督が担当したNHKドラマ『いいね!光源氏くん』(2020年)にて、飯島監督と矢代京子夫人をゲスト出演させて、仲睦まじい様子をカメラに収めたことも。
 鶴川グローイングアップ映画祭では飯島監督からのお願いで、以前から実務方面でサポート。さらにショートフィルムコンテストの審査委員長も務め、「飯島監督賞」を設けるなど、映画祭を盛り上げていた。

 2025年の今回、改めて飯島監督の功績を知るために『ウルトラマン』クランクイン作品3本を一挙上映。さらに上映後は小中監督司会のもと、ウルトラマンのスーツアクターの古谷敏、フジ・アキコ隊員役の桜井浩子、スクリプターの田中敦子の3名によるトークイベントも行われる。
 TV史に燦然と輝き、いまや世界的人気を誇るウルトラマン。60年前、それまでのTVヒーローとは一線を画す、この巨大ヒーローはどのように生み出されたのか。実際の現場に携わった当事者である本編俳優・特撮スーツアクター・現場スタッフの3つの視点から改めて検証していく。小中監督は「本編だけでなく、特撮にも飯島監督がどのように関わってウルトラマン像が出来上がっていったのかを、トークの中で解明していきたいと思います」と意気込みを語る。  
 なお併映として、先述の小学生のための特撮映画ワークショップで作られた最新作『森林の逆襲』(2025年)も上映。可愛らしい森林怪獣フォレストスが登場し、生前の飯島監督が指導にあたっていたこともあって、手作りながら屋外でのオープン撮影も行われ、本格的な作品となっている。こちらも是非ご覧ください!

<映画祭情報>
11月24日(月・祝)和光大学ポプリホール鶴川
鶴川グローイングアップ映画祭 飯島敏宏監督企画2025

●『ウルトラマン』クランクイン作品3本上映
上映作品:『ウルトラマン』第2話「侵略者を撃て」第3話「科特隊出撃せよ」第5話「ミロガンダの秘密」
全作品 監督:飯島敏宏 特技監督:的場徹
●14:00の回【併映】
小学生のための特撮映画ワークショップ作品『森林の逆襲』(2025年8分)
入場料:1000円(小学生以下500円) 全席自由
●17:00の回上映後 ウルトラマン誕生の秘密を解き明かすスペシャルトー
「飯島敏宏監督『ウルトラマン』誕生秘話」
古谷敏(ウルトラマン役)×桜井浩子(フジ・アキコ役)×田中敦子(スクリプター)/聞き手:小中和哉
入場料1500円(小学生以下500円) 全席自由

●チケット9月8日から発売開始
https://www.m-shimin-hall.jp/tsurukawa/
町田市民ホール(電話・窓口) TEL 042-728-4300
和光大学ポプリホール鶴川(窓口)
●イベント問い合わせ
鶴川ショートムービーコンテスト実行委員会
https://www.tsurukawa-smc.com/
●会場
和光大学ポプリホール鶴川
〒195-0053 東京都町田市能ヶ谷1-2-1
(小田急線・鶴川駅から徒歩3分)

2025-09-05 | Posted in NEWSComments Closed 
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