『いつくしみふかき』 、映画初主演映画の渡辺いっけいのオフィシャルインタビュー解禁!

2018年の『カメラを止めるな!』に続き、2019年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019で観客賞である「ゆうばりファンタランド大賞」の作品賞を受賞し、カナダのファンタジア国際映画祭の長編初監督コンペティション部門に正式出品され、現在までに11の賞を受賞している映画『いつくしみふかき』が、大阪・テアトル梅田、京都みなみ会館、名古屋シネマスコーレ、横浜シネマジャック&ベティ他で順次公開される。

(c)映画「いつくしみふかき」製作委員会

父親・広志役をベテラン俳優の渡辺いっけいが、遠山の知人が基になったその息子・進一役を、遠山自身が演じ、W主演を飾る。
2人を取り持つキーとなる牧師・源一郎役に、ベテランの金田明夫、広志の舎弟・浩二を劇団チキンハートの榎本桜が演じるほか、三浦浩一、眞島秀和、塚本高史ら、本作監督の、劇団チキンハート演出の大山晃一郎と親交のある豪華な俳優陣が脇を固める。

意外にも本作が映画初主演となる渡辺いっけいのオフィシャルインタビューが届いた。

渡辺いっけい さん

Q.『いつくしみふかき』が映画初主演と聞いてびっくりしました。主演のオファーと聞いて、どう思いましたか?
A. 見ていただくとわかるんですけれど、両主役という括りになっているんですが、映画の作りとしては、遠山君演じる息子の心情を追っていく映画になっていると思います。親子の話なので、僕を主役だと思って見る人もいるかもしれませんが。

Q. 完成した作品を見た感想はいかがでしたか?
A. びっくりしました。自分はテレビドラマの出演が多いんですが、テレビはお届けする作品自体も自分の役もわかりやすいものが多いじゃないですか。本作では非常にわかりにくい役で、撮っている時も台本からは読み取れない何かが沢山あって、ワンシーンごとに(監督の)大山君とディスカッションして撮ったんです。自分自身はわかっていないで大山君に委ねてやったシーンもかなりあったんですが、繋がった時に、僕が演じていて言うのもなんなんですけれど、人間って結局わからないなという意味で言うと、深いところまで撮られている気がして、自分と思えない非常に新鮮なシーンが多かったです。それは久々の感覚でした。若い頃に映像の仕事をやりだした時に、完成形をテレビで見て新鮮だった時とはまた違う、それ以上のものを大山君が切り取って見せてくれている気がして、嬉しかったです。最終的に色々なものが詰まった、いい意味でカオスな映画になって、見てくれた方に色々なところでフックがかかる映画になったと思います。色々な要素が詰まっていて、面白い映画になったなと思っています。

Q. 監督として大山さんはいかがでしたか?
A. 撮影に入ってからの大山君は、本当に肝が座っていました。感心したのは、常に楽しそうだったことです。東映の助監督で揉まれた経験がいい意味ですごく活かされていて。でも、それだけでなく、ちゃんとわがままも通す。自分が撮りたいものを撮るという一面は揺るぎなくあって、生き生きしていました。現場で金田明夫さんとも「いい監督だね」と囁きあっていました。変に理論武装しないし、背伸びしないし、わからないところは一緒に考えて、そこに出ている役者さんたちとしっかりコミュニケーションを取って作っていく監督だったので、びっくりしました。彼の短編映画をDVDで見て力があるというのはわかっていたんですが、正直、ここまでとは思っていなかったです。

Q. 大山さんがこだわっていたのはどのような部分ですか?
A. ちょっとしたシーンです。スーパーで買い物をするシーンは、わりと最初の方の撮影だったんですけれど、大山君はちょっとしたタイミングにこだわっていて、 「ここまでしつこく撮るんだ。やるなあ」と思っていました。大事な大掛かりなシーンは時間がかかるのは当たり前なんですけれど、パパッと撮れそうなシーンをかなりこだわっていたので、そこで僕も覚悟がより決まりました。あの辺のさじ加減で監督の本気度が見えるものなので、「これはしっかり付き合おう」という気持ちにさせられました。

Q.広志役はいかがでしたか?
A.こんな酷いお父さんはお目にかかったことがないです。僕は普通の家庭で育ったので、バイオレンスはなかったんですけれど、大山君と遠山君は自分の生まれた環境について色々あった人たちなので、彼らの持っている記憶や生のものがこだわりに繋がっています。僕はそれをしっかり把握して体現しなくてはという気持ちで挑んでいました。

Q.息子役を、実際に広志役のモデルになった方の葬儀に参加した遠山さんが演じましたが、いかがでしたか?
A. 疲労もあったはずなんですけれど、この台本が持っている強さが乗り移っていたので、「いい役者だな」と改めて思いました。以前連ドラで共演した役はふわふわとしていましたが、全然違いました。彼は計算していないようで長けているので、面白い役者だなと思います。

(c)映画「いつくしみふかき」製作委員会

Q.長野県飯田での撮影はいかがでしたか?
A. 飯田の町が景観がいいというか、ロケ映えする場所なんです。ロケハンを重ねた効果もあり、無駄のない良いロケ地ばかりで、面白かったです。オープンセットのような町で。少し古くて寂しい感じのところもあるんだけれど、そこがまた絶妙に映画に活かされていると感じました。

Q.本作をプレゼンするとしたら、どういう映画とプレゼンしますか?
A.「どういう映画」と一言で言いづらい映画なんですが、見ていただくと、確実に何かが残る映画にはなっているので、役者・渡辺いっけいとしては、「とりあえずちょっと見てみません?見て損はない映画になっていますよ」というプレゼンをしたいと思います。

Q. 読者の方にメッセージをお願いします。
A. 僕の中でもこれは役者として転換期になった映画です。テレビのお仕事で僕のことを把握している方達が多いと思うんですけれど、テレビでは絶対に見せていない顔を見せています。自分もスクリーンを見て、こういう仕事をどんどんやっていきたいと思えた作品なので、個人的にはそこを見て欲しいなという気持ちがあります。それを引き出してくれたのは、確実に大山君と遠山君の2人です。役者の自分が変われた映画なので、そりゃあ面白くないわけがないですよ!

【STORY】 
30年前。母・加代子(平栗あつみ)が進一(遠山雄)を出産中に、あろうことか母の実家に盗みに入った父・広志(渡辺いっけい)。「最初から騙すつもりだったんだろ?」と銃を構える叔父を、牧師・源一郎(金田明夫)が止め、父・広志は”悪魔”として村から追い出される。進一は、自分が母が知らないものを持っているだけで、母が「取ったのか?この悪い血が!」と狂うのを見て、父親は”触れてはいけない存在”として育つ。
30年後、進一は、自分を甘やかす母親が見つけてくる仕事も続かない、一人では何もできない男になっていた。その頃父・広志は、舎弟を連れて、人を騙してはお金を巻き上げていた。

ある日、村で連続空き巣事件が発生し、進一は母を始めとする村人たちに、「悪魔の子である進一の犯行にちがいない。警察に突き出す前に出ていけ」と言われ、牧師のいる離れた教会に駆け込む。「そっちに行く」という母親に「来たら進一は変わらない」と諭す牧師。
一方、父・広志は、また事件を起こし、「俺にかっこつけさせてください」という舎弟・浩二 (榎本桜)に、「待っているからな」と言っても、実際には会いに行かない相変わらずの男で、ある日、牧師に金を借りに来る。「しばらくうちに来たらどうだ?」と提案する牧師。牧師は進一のことを「金持ちの息子」だと嘘を吹き込み、進一と広志は、お互い実の親子だとは知らないまま、二人の共同生活が始まる。

(c)映画「いつくしみふかき」製作委員会
(c)映画「いつくしみふかき」製作委員会
(c)映画「いつくしみふかき」製作委員会

渡辺いっけい 遠山雄
平栗あつみ 榎本桜 小林英樹 こいけけいこ のーでぃ 黒田勇樹
三浦浩一 眞島秀和 塚本高史 
金田明夫

監督:大山晃一郎
企画:遠山雄 プロデューサー:清弘樹/榎本桜 脚本:安本史哉/大山晃一郎 撮影:谷康生 照明:阿部良平 編集:菊地史子 録音:高松愛里沙 美術:榊さくら 音楽プロデュース:吉川清之 整音・効果:渡辺寛志 記録:松村愛香 衣装:深野明美 メイク:長縄希穂 制作担当:津崎雄大 助監督:安養寺工/松村卓
 演技事務:清水亜紀 ラインプロデューサー:福田智穂 タイトル題字:高田菜月
主題歌:タテタカコ「いつくしみふかき」
後援:長野県飯田市 特別協力:映画「いつくしみふかき」を応援する会 遠山郷 天龍村
配給・宣伝:渋谷プロダクション 2019/5.1ch/JAPAN/DCP/109min

公式サイト:www.itukusimifukaki.com 公式Twitter:itukusimifukaki 公式facebook:itukusimifukaki

2020-04-07 | Posted in NEWSComments Closed 
error: Content is protected !!