映画『風が吹くとき』日本語版予告編と追加場面写真10点を解禁!スタジオジブリの鈴木敏夫氏からコメントも!

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解禁された約60秒の日本語吹替版予告編は、今回のリバイバル上映にあわせて新たに作られたもの。冒頭、元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズが手がけた楽曲「HILDA’s DREAM(ヒルダの夢)」が流れ、牧歌的な田園風景が広がる中、ジムとヒルダ夫妻が平和な日常を送っている。しかし、ラジオからの「わが国に向けて敵のミサイルが発射されました」という予期せぬ知らせに、夫妻はあわてて家の中にしつらえたシェルターの中へ。デヴィッド・ボウイによる映画タイトルと同名の主題歌「When The Wind Blows(風が吹くとき)」が流れる中、原爆による惨状が露わとなる本作の象徴的なシーンが連なる構成となっており、短いながらも強いインパクトを残す。

また、本作では原爆の被害をリアルに伝えるため、爆風にさらされたガレキなどを実写で描く演出も多く、そうした実験的な要素も見所の一つだ。また、ラストでヒルダがタンポポに息を吹きかけると、綿毛とともに自らも蝶となって飛び立っていく描写があるが、これは原作にはない映画オリジナルの描写だ。夢の中で描かれる生命の象徴としての綿毛が、過酷な現実の描写と対比されるように描かれている。

今回、予告編の解禁と同時に、スタジオジブリの鈴木敏夫氏からもコメントが届いた。当時、雑誌「アニメージュ」の編集長をしていた鈴木氏は、『風が吹くとき』が日本で初公開された1987年8月号で「緊急特集」として、表紙を含む巻頭14ページを割き、本作を大々的に特集した。コメントの通り、まさに「大冒険」の特集だったと推察される。

ふたつのことを思い出す。
月刊『アニメージュ』で大特集したこと。
原発の記事も書き、当時としては大冒険だったが、その号は3日で完売した。
もうひとつは、英国版の声優ジョン・ミルズのこと。
僕が少年時代から大好きなヘイリー・ミルズのお父さんだった。
■鈴木敏夫(スタジオジブリ・プロデューサー)

※1:ジョン・ミルズ(1908-2005):英国の俳優。『風が吹くとき』では声の出演でジムを演じた。デヴィッド・リーン監督作品の常連俳優として、また『ライアンの娘』(70)ではアカデミー賞とゴールデングローブ賞の助演男優賞をぞれぞれを受賞。1973年にサーの称号を得ている。
※2:ヘイリー・ミルズ(1946-):名優ジョン・ミルズの娘で、『ポリアンナ』(1960)でアカデミー賞子役賞、ゴールデングローブ賞有望女性新人賞を受賞。子役時代は多くのディズニー映画に出演した。

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『風が吹くとき』<日本語(吹替)版>
1986年/イギリス/カラー/85分/1:1.33(スタンダード)/ステレオ
原題「When the Wind Blows」
提供:コンテンツ・ポテンシャル 後援:ブリティッシュ・カウンシル
配給:チャイルド・フィルム 配給協力・宣伝:プレイタイム
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<声の出演(カッコ内は日本語<吹替>版)>
ジム:森繁久彌 ヒルダ:加藤治子

<スタッフ>
原作・脚本:レイモンド・ブリッグズ 監督:ジミー・T・ムラカミ 音楽:ロジャー・ウォーターズ 主題歌:デヴィッド・ボウイ「When The Wind Blows」 日本語(吹替)版監督:大島渚 製作:ジョン・コーツ 製作総指揮:イエイン・ハーヴェイ アニメーション:リチャード・フォードリー 美術・レイアウトデザイン:エロル・ブライアント 技術:ピーター・ターナー プロダクション・コーディネーター:アン・ゴドール 特殊効果:スティーブン・ウェストン

<ストーリー>
イギリスの片田舎で暮らすジムとヒルダの平凡な夫婦。二度の世界大戦をくぐり抜け、子供を育てあげ今は老境に差し掛かった二人。ある日ラジオから、新たな世界戦争が起こり核爆弾が落ちてくる、という知らせを聞く。ジムは政府のパンフレットに従ってシェルターを作り始める。先の戦争体験が去来し、二人は他愛のない愚痴を交わしながら備える…、そして、その時はやってきた。爆弾が炸裂し、凄まじい熱と風が吹きすさぶ。すべてが瓦礫と化した中で、生き延びた二人は再び政府の教えにしたがってシェルターでの生活を始めるのだが…。

■公式サイト
https://child-film.com/kazega_fukutoki/
■X(旧Twitter)@kazega_fukutoki
https://x.com/kazega_fukutoki

8月2日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

2024-06-19 | Posted in NEWSComments Closed 
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