サンタクロースの奥さんが登場?! クリスマス・ナビゲーターが語る 『オンネリとアンネリのふゆ』と北欧の魅力
(フィンランド大使館商務部上席商務官/クリスマス・ナビゲーターの木村正裕さん)
フィンランドで長く愛され続けるマリヤッタ・クレンニエミ原作の児童文学「オンネリとアンネリ」シリーズを映画化、本国フィンランドでは3週連続1位に輝き、その後シリーズ化された3作品はのべ100万人を動員、国民の5人に1人が観る大ヒットを記録した『オンネリとアンネリのおうち』の続編『オンネリとアンネリのふゆ』。
(c)Zodiak Finland Oy 2015. All rights reserved.
11月24日(土)に公開初日を迎え、YEBISU GARDEN CINEMAにてフィンランド大使館商務部上席商務官/クリスマス・ナビゲーターの木村正裕さんをゲストにお迎えし「映画と原作にまつわるトークイベント」が開催された。
トークイベントでは、北欧のクリスマスの習慣についてや、映画と原作の違い、そして“ちょっと違った目線”での本作の楽しみ方などが語られた。
「ムーミン」「ロッタちゃん はじめてのおつかい」「長くつ下のピッピ」「小さなスプーンおばさん」「ヘイフラワーとキルトシュー」など、世界中で愛される絵本や童話を贈りだしてきた北欧から届いたのは、フィンランドで長く愛され続けるマリヤッタ・クレンニエミによる児童文学が原作の、小さな女の子オンネリとアンネリの物語。
前作「オンネリとアンネリのおうち」ではフィンランドの夏休みが描かれているが、続編「オンネリとアンネリのふゆ」のシーズンは北欧の魅力を一番感じることのできる美しい冬が舞台。
「どういったシーンで、フィンランドのクリスマスシーズンらしさを感じられましたか?」という質問に対して、「登場人物のノッポティーナとプクティーナの2人が『花火を準備しに行く』と言うシーンがあるのですが、実はフィンランドでは個人で花火を使うのは法律で禁止されているんです。しかし、大晦日から新年にかけてだけは花火をやってもいいというルールがあるので、実はこのシーンを見れば、クリスマスシーズンの時期を描いているんだな、というのがわかるようになっていますね」と、フィンランド文化に詳しい木村さんならでは視点で本作の見どころが語られた。
ほか、「シーンが進んでいくにつれ実はオンネリとアンネリの部屋の飾り付けが少しづつ増えていってるんです」とニッコリ。クリスマスに向けて“時間をかけて少しずつ飾り付けなどの準備をする文化”が本作の劇中でもしっかり描かれていることに対しても驚かれた。
最後に、本作を鑑賞するにあたって知っているとさらに楽しめる、登場人物「バラの木夫人」に関するトリビア的知識を披露。
彼女は、前作ではオンネリとアンネリに素敵なおうちをプレゼント、本作では冒頭からしばらく所在不明のままで皆からその行方を探されることになる魔法の使える不思議なおばあさんなのだが、しばらくすると彼女はラップランドに行っていたことが判明。
ようやく電話が繋がったオンネリとアンネリと会話する彼女が映る映像の背景に注目してみてほしいと言う。
「わざとピンボケして映されているのですが、電話をする彼女の後ろには山のように積まれたクリスマスプレゼントの箱と、それを整理するトゥントゥ(フィンランドの妖精。普段はそっと人間を助けているが、クリスマス近くなるとサンタクロースのお手伝いをすると言われている)の姿がチラッと見えるんです。基礎知識として、サンタクロースはラップランドに住んでますよね。そして実は設定として、サンタクロースの奥さんは、魔法が使える女性と言われているのですよ。ですので、いろんな状況から考えるとバラの木夫人は一体、どう言う存在なのか!?ぜひ、皆さんの想像でもってこの先を考えてみて欲しい」
と本作の木村さんならではの楽しみ方を述べられ「先ほどのバラの木夫人の背景など、本作には原作には無い隠しアイテムのようなものが散りばめられていますので、それを楽しんでもらうためにもぜひ何度もみて欲しい」とその熱い想いが語られた。
映画『オンネリとアンネリのふゆ』はYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。
『オンネリとアンネリのふゆ』
(c)Zodiak Finland Oy 2015. All rights reserved.
<STORY>
クリスマスの近づくある日、バラの木夫人から買った小さなかわいいおうちで暮らすオンネリとアンネリのもとに、プティッチャネンというこびとの一族の家族がバラの木夫人をたずねてやってきました。おうちをなくしたこびとの家族は、彼らをつかまえようとする悪い人間たちから逃げているといいます。そこでふたりは、夫人の居場所が分かるまで、ふたりのドールハウスに家族をかくまうことにしました。しかし、お金に困っているガソリンスタンド店の夫婦がこびとの家族の存在に気づいて…!はたして、彼らを守ることができるのでしょうか。
原作「オンネリとアンネリのふゆ」
著者:マリヤッタ・クレンニエミ/訳者:渡部翠/出版社:福音館書店
監督・脚本:サーラ・カンテル「オンネリとアンネリのおうち」「星の見える家で」
脚本:サミ・ケスキ=ヴァハラ「旅人は夢を奏でる」
製作:テーア・フーテア、サリ・レンピアイネン
撮影:マリタ・ヘルフォルス「星の見える家で」
衣装:アウリ・トゥルティアイネン
音楽:アンナ・マリ・カハラ
編集:アンネ・ラカネン
出演:
(オンネリ/黒 髪の女の子)アーヴァ・メリカント、(アンネリ/金髪の女の子)リリャ・レフト、(バラの木夫人)エイヤ・アフヴォ、(リキネン)ヤッコ・サアリルアマ、(ウメ・ボーシュ)ヨハンナ・アフ・シュルテン、(ノッポティーナ)エリナ・クニヒティラ、(プクティーナ)キティ・コッコネン
公式 HP www.onnelianneli.com