映画『審判』初日舞台挨拶にジョン・ウィリアムズ監督、にわつとむら俳優陣が登壇!

(左から 工藤雄作さん、田邉淳一さん、常石梨乃さん、にわつとむさん、早川知子さん、村田一朗さん、大宮イチさん、ジョン・ウィリアムズ監督)

6月30日より映画『審判』が渋谷・ユーロスペースで公開となり、初日舞台挨拶に、にわつとむさん、常石梨乃さん、田邉淳一さん、工藤雄作さん、早川知子さん、村田一朗さん、大宮イチさん、ジョン・ウィリアムズ監督が登壇しました。

(主人公・木村を演じた にわつとむさん)

はじめに「初主演作が初日を迎えました。心境をお教えください」と聞かれたにわつとむさんは、「もうウルウルきています。私ごとですが、何度も俳優を辞めようと思って20数年やってきたました。今日ここに立てていることが幸せです。人生懸けた映画、楽しんでください」と涙声になりながら挨拶。

(鈴木役の常石梨乃さん)

主人公・木村の隣人の鈴木役の常石さんは、監督から鈴木役の裏設定を聞いていたとのことで、「鈴木はすごく能動的に動くタイプに見えるのですが、男と女という体の関係になりましたら、”処女”という裏設定があります。そういったところを踏まえて見ていただけたらと思います」と恥ずかしそうに笑いながら話しました。

(望月役の早川知子さん)

鈴木の友人と名乗って木村を誘惑する望月役の早川知子さんは、「実は望月の裏設定としては、木村に全く興味がないんです。興味がない中で彼を誘惑するというのが、女性としての自信が求められたので、その辺りが大変でした。ちょっと不感症的な(会場笑い)サイコパス的な要素を入れたくて、心が全く動かされない状態で誘惑するというのが大変でした。」と苦労を語りました。

自分を翻弄してきた女たちの裏設定を撮影中知っていたのか聞かれた主演のにわは、「全く聞いていなかったです。(木村が知らないことを)聞いていたら演技がずれるので、聞かなくてよかったです。後々聞いてショックを受けることはいっぱいありました。」と話し、笑いを誘いました。

(小倉役の田邉淳一さん)

主人公・Kに逮捕を告げて捜査・監視する下っ端役人の小倉役の田邉さんは、「私の役について皆さんが『刑事なんだ』と言われるんですけど、別に刑事と決まっていなくて、(舞台版の準備をしていた)何年も前から『自衛隊にいて』とか『子供を失って』とか役設定を作っていたんですけれど、撮影の数週間前に監督から『それないね』と言われました。セリフを一生懸命覚えて行ったら、撮影当日に『淳、セリフを言わないで下さい』と言われました」と冗談っぽく話し、会場を笑わせました。

(相馬役の工藤雄作さん)

その部下・相馬役の工藤さんは、「僕は冬の撮影は雪が降るというジンクスがありまして、見事撮影の日に大雪が降りました。」と寒かったエピソードを語りました。

(判事と人形遣い役の村田一朗さん)

学校の体育館を一時的に使った「裁判所」での判事と、人形遣いと、まったくキャラクターの異なる二役を演じている村田一朗さんは、「パペット(人形劇)のシーンは練習を積みました。監督は『大丈夫、大丈夫』と言っていましたが、そんな簡単なものではなかったです。テクニカルアドバイザーの秋葉よりえさんの指導のおかげで、なんとかできました。」と話しました。

(廷吏役の大宮イチさん)

「裁判所」の廷吏役の大宮イチさんは、オーディションの際に、台本にはないキャラクターを加えて演じて、監督を圧倒したとのこと。「狂っているというか、ちょっと普通じゃない人という感じのキャラクターを加えた」とのことで、「映画の世界をある意味象徴しているような存在なので、主人公の絶望を決定づけるような意味合いだったと思うんですけれど、短い間に色んな感情の振れ幅を出せればと思って色々やってみました。」と話しました。

(ジョン・ウィリアムズ監督)

最後に監督より、「今回の映画は数百人が裏で働いています。クラウドファンディングで作らせていただいています。役者たちと2年間位コラボレーションというような形で作り上げました。私が全く知らない人形劇の部分は、(人形劇作家の)秋葉よりえさんの演出も入っていますし、音楽も7ヶ月位かけました。こじんまりした映画だけれど、人の力とパッションが入っている映画です。」と挨拶があり、拍手で終わりました。


『審判』

©100 Meter Films 2018 (c) Carl Vanassche

2018年6月30日(土)より 渋谷・ユーロスペースにて公開ほか全国順次

<あらすじ>
現代の東京。とあるマンションの一室で銀行員の木村陽介が目覚めると、見知らぬふたりの男が立っていた。逮捕を告げに来たと言うのだが罪状は不明。ふたりは逮捕状も見せないまま我が物顔で部屋中を物色し、木村を困惑させる。
次の日曜日。裁判所へと向かった木村は、郊外の古びた学校にたどり着く。体育館に一時的に設けられた「法廷」で判事と対面するが、話は全くかみ合わない。ずさんでいい加減な対応に戸惑い、苛立ちをあらわにするが、まともに審議もされないまま閉廷を言い渡される。身に覚えのない突然の逮捕によって、次第に追い詰められていく木村。
無実を訴えてあがけばあがくほど、蜘蛛の巣のような“システム”に絡みとられ、どんどん身動きができなくなっていく。ここから抜け出す方法はあるのか?救いを求めて奔走するものの、期待はことごとく外れていく。そして木村は、出口のないこの迷路の終焉に、気づき始めるのだった―。

<キャスト>
にわつとむ
常石梨乃 田邉淳一 工藤雄作
川上史津子 早川知子 関根愛 村田一朗 大宮イチ
坂東彌十郎(特別出演) 高橋長英 品川徹
監督・脚本 ジョン・ウィリアムズ
音楽 スワベック・コバレフスキ
原作 フランツ・カフカ「審判」
プロデューサー 高木祥衣 古川実咲子 塩崎祥平
撮影 早野嘉伸
照明 大久保礼司
録音 小川武
美術 中村三五
編集 稲川実希
音響効果 堀内みゆき
監督補 高田真幸
助監督 岩崎祐
ヘアメイク 西尾潤子 松本幸子
衣装 斎藤安津菜
制作担当 竹上俊一
人形創作・操演 グラシオブルオ
後援 上智大学ヨーロッパ研究所 公益財団法人日独協会
製作・配給 百米映画社
公式サイトはこちら http://shinpan-film.com/

2018-07-01 | Posted in NEWSComments Closed 
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