YABOサタデー映画館―2018.1.27
『YABO』の由来は野望。
野望という強い意志を持って前向きに生きる人を取材し、その人の魅力や情報を発信するフリーペーパーです。
WEB版では毎週土曜日に「YABOサタデー映画館」を掲載。
作品をあらすじとともに野望や希望、理想にあふれる人物をYABO人としてピックアップします。
今週は下記の2作品をご紹介します。
『ロング,ロングバケーション』
『祈りの幕が下りる時』
『ロング,ロングバケーション』
YABO人:エラ(ヘレン・ミレン)
娘と息子は巣立ち、夫のジョン(ドナルド・サザーランド)と2人暮らし。全身にガンが転移し、子どもたちから入院治療を勧められている。ジョンは文学教師で、ヘミングウェイについて研究していたが、アルツハイマーの進行により、今は家族の名前さえ忘れてしまうことがあり、エラの世話がなければ生活できない。ジョンと離れ離れになるのを恐れ、子どもたちに隠れて、愛用してきたキャンピングカーに乗り、夫婦水入らずの旅に出た。
アルツハイマーの夫は「ハンバーガーが食べたい」、「お茶が飲みたい」と思ったら、叶えてもらえるまで言い続ける。ガソリンスタンドでは、電話中の妻を置いたまま出発してしまう。その一方で、妻の初恋の人がどんな下着を好んでいたのかを、50年経った今でも気にしている。高齢者夫婦の珍道中は笑いを誘う。
あるとき、夫が妻を別の女性と間違えたことで、妻は夫の隠し事を知る。病は残酷だ。それでも、50年かけて紡いできた絆はそれ乗り越える強さを持っていた。男と女として愛を確かめ合う。無謀な旅は周りに心配や迷惑をかけてしまうが、こんな夫婦になりたいと思う人は少なくないだろう。
『ロング,ロングバケーション』
ベネチア国際映画祭Leoncino d’Oro Agiscuola賞受賞/トロント国際映画祭正式出品
2018 年 1 月 26 日(金)TOHO シネマズ 日本橋他全国順次ロードショー
監督:パオロ・ヴィルズィ
出演:ヘレン・ミレン、ドナルド・サザーランド
配給:ギャガ
© 2017 Indiana Production S.P.A.
公式サイト: http://gaga.ne.jp/longlongvacation/
『祈りの幕が下りる時』
YABO人:日本橋署の刑事・加賀恭一郎(阿部寛)
父親も元刑事で、母親は中学生のときに失踪した。剣道六段の腕前で、学生時代は全国大会で優勝したこともある。卒業後は教師になったものの退職し、父親と同じ警察官となる。警視庁捜査一課の刑事となるが、練馬署の捜査一係へ異動。その後、日本橋署に異動となる。警視庁捜査一課の松宮(溝端淳平)は従兄弟にあたる。
<事件概要>
東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。被害者は、ハウスクリーニングの会社で働く滋賀県在住の押谷道子。殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっていた。松宮たち警視庁捜査一課の刑事たちが捜査にあたるが、押谷道子と越川睦夫の接点が全く見つからず、滋賀在住の押谷が何故東京で殺されたのかも不明で、捜査は難航する。
やがて捜査線上に女性演出家・浅居博美(松嶋菜々子)が浮かびあがる。押谷は浅居博美を訪ねて東京に来たのだ。しかし、浅居博美と越川睦夫の間にも接点がなく、捜査は進展しない。
松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、捜査を進めるうちに、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見する。その事実を知り、加賀恭一郎は激しく動揺する。それは失踪した加賀の母に繋がっていた。
2010年4月に連続ドラマとしてスタートした東野圭吾原作の「新参者」シリーズ。加賀は類稀なる推理力で、謎に包まれた殺人事件の真犯人を探し出し、事件の裏に隠された人の心の謎を解いてきた。その後、2本のスペシャルドラマ「赤い指」「眠りの森」が製作され、さらには映画『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』が公開された。しかし、母の失踪理由は加賀自身における“最大の謎”のままだった。それが本作で明らかになる。なかなかつかめない自身の謎に対して自問自答し、葛藤する加賀を阿部寛が丁寧に演じ、感動を呼ぶ。
『祈りの幕が下りる時』
2018年1月27日全国東宝系にてロードショー
原作:東野圭吾「祈りの幕が下りる時」(講談社文庫)
監督:福澤克雄
出演: 阿部寛、松嶋菜々子、溝端淳平、田中麗奈、伊藤蘭、小日向文世 / 山崎努
配給: 東宝
©2018 映画「祈りの幕が下りる時」製作委員会
公式サイト: http://inorinomaku-movie.jp/