YABOサタデー映画館―2018.1.13
『YABO』の由来は野望。
野望という強い意志を持って前向きに生きる人を取材し、その人の魅力や情報を発信するフリーペーパーです。
WEB版では毎週土曜日に「YABOサタデー映画館」を掲載。
作品をあらすじとともに野望や希望、理想にあふれる人物をYABO人としてピックアップします。
今週は下記の6作品をご紹介します。
『伊藤くん A to E』
『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』
『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』
『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』
『はじめてのおもてなし』
『マジンガーZ / INFINITY』
『伊藤くん A to E』
YABO人:落ち目の脚本家・矢崎莉桜(木村文乃)
20代半ばで手掛けた伝説の大人気ドラマ『東京ドールハウス』で一躍売れっ子になったが、今はすっかり書けなくなり、シナリオスクールを主宰している。ドラマプロデューサー田村(田中 圭)から勧められ、自身の講演会に参加した女性4人の恋愛相談を、再起をかけた新作脚本のネタにしようと企む。偶然にも【A】~【D】と名付けた女性たちを悩ませ、振り回しているのがすべて「伊藤」という名前だった。伊藤に対して心の中で毒づきながら「もっと無様に」なるよう巧みに女たちを誘導。取材を重ねていくうちに、伊藤は同一人物ではないかと思い始める。一方、主宰するシナリオスクールの生徒にも「伊藤」がおり、その伊藤が莉桜と同じ4人の女たちについての脚本を書いていたことが発覚。しかもそこには、莉桜のネタにはない5人目【E】の女が存在した。
伊藤はオシャレなイケメンで女性ににモテる。美味しいところだけ味わい、失敗をしない。しかし、それは伊藤が勝てない勝負をしないだけ。中身がなく、ペラッペラだ。伊藤に振り回される女性たちもそれぞれに弱さを抱えている。伊藤をきっかけに躓くが、立ち上がることで強くなる。
残された伊藤はどうするのか。伊藤とは違う意味で女性たちを利用しようとした莉桜も傷を抱えている。再起するには思い切った大手術が必要。主人公2人の行く末に幸多かれと思わずにはいられない。
『伊藤くん A to E』
2018年1月12日(金)より全国ロードショー
監督:廣木隆一
出演:岡田将生、木村文乃、佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆、田口トモロヲ、中村倫也、 田中 圭
配給:ショウゲート
©「伊藤くん A to E」製作委員会
公式サイト: http://www.ito-kun.jp/
『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』
YABO人:中国人民解放軍特殊部隊「戦狼」元隊員レン・フォン(ウー・ジン)
仲間の遺骨を実家に届けにいったときに、その家を取り壊そうとしている地元開発業者を蹴り倒して軍籍を剥奪され、3年間服役する。その間に恋人がアフリカに赴任して、反政府勢力に殺されてしまった。彼女の敵を討つべく、アフリカに渡たり情報を集めている最中、反乱が勃発。命からがら護衛艦に避難したが、戦闘地域に民間人が取り残されているという話を耳にし、単独、戦地に舞い戻る。
ジャッキー・チェンが後継者と認めた天才アクションスター、ウー・ジンが監督と主演を務め、超高速アクションが炸裂する。敵役として『パージ』(シリーズ)でブレイクを果たした武術の達人、フランク・グリロが、ウー・ジンの超高速アクションと互角に渡り合う。
自分の安全よりも同胞や弱い立場の人々を助けることを選ぶ彼に人はついてくる。しかし、人とは弱いもの。主人公が危なくなると助けてもらっていた人が途端に彼に冷たくなる。それでも泣き言を言わない主人公に俠気を見た気がする。
ラストにスクリーンに映し出されたメッセージに驚くほどとともに、中国と日本の国民に対する意識の違いを感じた。
『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』
2018年1月12日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
監督・脚本・製作総指揮:ウー・ジン
出演:ウー・ジン、フランク・グリロ、セリーナ・ジェイド、ウー・ガン、チャン・ハン、ユー・ナン
配給:KADOKAWA
© Beijing Dengfeng International Culture Communication Co., Ltd. All Rights Reserved.
公式サイト: http://senrou-movie.jp/
『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』
YABO人:マット(サリバン・ステイプルトン)
1995年、紛争末期のサラエボ。強引かつ大胆な戦略で敵の将軍を拉致、敵に囲まれたら戦車で大暴走とやりたい放題でミッションを遂行した5人のネイビーシールズのチームリーダー。冷静沈着で仲間を想う気持ちが強い。休暇中、メンバーの一人スタントン(チャーリー・ビューリー)が恋人のララ(シルヴィア・フークス)からある話を聞く。湖にナチスの金塊・総額3億ドルが沈んでおり、それさえあれば戦争に苦しむ避難民を救うことができるのだという。しかし、タイムリミットはわずか8時間。敵陣真っただ中にある湖の水深45mの湖底から、重さ27トンの金塊を運び出すために、チーム一丸となって作戦を立てる。
冒頭、戦車で敵陣からの脱出を図る主人公たち。ダイナミックだが細やかに動き回り、戦車は動きが鈍いという印象を覆す。さらにヘリと戦闘機の大チェイスに生身の肉弾戦があり、クライマックスは水中でのバトルを繰り広げる。これらをCGではなく、リアルなセットでやっているというから驚きだ。水中のシーンは3つのタンクを用意して、巨大な水中都市を作り出している。本物の迫力を実感してほしい。
『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』
2018年1月12日(金)
TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて全国ロードショー
監督:スティーブン・クォーレ
出演:サリバン・ステイプルトン、J・K・シモンズ、シルヴィア・フークス、ディミトリー・レオニダス、チャーリー・ビューリー、ディアミッド・マルタ、ジョシュア・ヘンリー、ユエン・ブレンナー
配給:アスミック・エース
©2016 EUROPACORP – STUDIO BABELSBERG Credit : Reiner Bajo
公式サイト: http://renegades.asmik-ace.co.jp/
『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』
YABO人:先天性の病気で95%の視覚を失った青年サリー(コスティア・ウルマン)
スリランカ人の父、ドイツ人の母の間に生まれ、美しい姉と4人で暮らす。夢は立派なホテルマンになること。母と姉の協力を受け、父の反対を押し切り、視覚に障害があることを隠して、ミュンヘンの5つ星の一流ホテルの研修生となる。
研修生仲間のマックス(ヤコブ・マッチェンツ)、料理長クローン(アレクサンダー・ヘルト)、アフガニスタン難民で皿洗いのハミド(キダ・コドル・ラマダン)と親しくなり、彼らの助けも借りながら、持ち前の明るさと機転でホテルの研修課題を次々とクリアしていく。そして、ホテルに野菜を納入するラウラ(アンナ・マリア・ミューエ)と出会い、恋に落ちる。しかし、仕事の緊張と過労に父親の失踪が重なり、心身ともに限界を超え、ドラッグに手を出すようになってしまう。
どんな状況でも夢を諦めずにがんばる主人公に差し伸べられる救いの手。それに応えてがんばるから、その手は増えていく。意地悪にも思える教官の厳しさも本当のホテルマンに育てたいから。試練を乗り越えた先に主人公が見た未来を応援したくなるだろう。
『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』
監督:マルク・ローテムント
出演:コスティア・ウルマン、 ヤコブ・マッチェンツ、アンナ・マリア・ミューエ
配給:キノフィルムズ/木下グループ
© ZIEGLER FILM GMBH & CO. KG, SEVENPICTURES FILM GMBH, STUDIOCANAL FILM GMBH
公式サイト: http://5p-kiseki.com/
『はじめてのおもてなし』
YABO人:元校長のアンジェリカ(センタ・バーガー)
大病院の外科医長を務める夫のリチャード(ハイナー・ラウターバッハ)とミュンヘンの高級住宅地に暮らしている。定年退職して時間を持て余し、難民センターに出入りするようになり、ナイジェリアから来た難民青年ディアロ(エリック・カボンゴ)を自宅に引き取ると言い出した。リチャードや2人の子どもは急な話に反対するが、聞く耳を持たない。ディアロが来てからはいそいそと世話をする。しかし、ディアロを快く思わないご近所を巻き込む難民受け入れの反対デモが起こり、ディアロがテロ疑惑までかけられる大騒動となってしまう。
人は社会から必要とされていると思いたいもの。アンジェリカがディアロを引き取ることも、リチャードが引退を拒否して仕事にしがみつくのも、自分はまだまだ社会から必要とされていると感じていたい気持ちの表れだろう。アンジェリカはディアロにドイツ語を教え、一緒に庭仕事をするうちに生き生きと輝きを増してくる。しかし、それも初めのうちだけ。トラブルが続くうち、次第に夫婦仲が悪化して、リチャードは家を出てしまう。2人とも抱える問題の根本は同じなのに、自分のことに精一杯でお互いが見えていないのだ。
そんなアンジェリカたちを必死に助けようとするディアロは、いつのまにかこの家族にとって、もてなされるのではなく、もてなす側になっているとさえ思える。「してあげる」あるいは「してもらう」という一方通行では、本当の人間関係は築けないのかもしれない。
自分と違う価値観を知ることで家族の気持ちに気づき、不満な状況からも抜け出していくアンジェリカたち。外国人との文化や習慣の違いによるハプニングをコメディタッチで描きながら、人の生き方には多様性があることを作品は伝えてくれる。
『はじめてのおもてなし』
2018年1月シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督:サイモン・バーホーベン
出演:センタ・バーガー、ハイナー・ラウターバッハ、フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、パリーナ・ロジンスキ、エリヤス・エンバレク ほか
配給:セテラ・インターナショナル
©2016 WIEDEMANN & BERG FILM GMBH & CO. KG / SENTANA FILMPRODUKTION GMBH / SEVENPICTURES FILM GMBH
公式サイト: http://www.cetera.co.jp/welcome/
『マジンガーZ / INFINITY』
YABO人:兜甲児(森久保祥太郎)
スーパーロボット・マジンガーZを操り、悪の科学者Dr.ヘルの野望を打ち砕き、世界平和を取り戻した。
10年が経ち、パイロットを離れ、祖父や父のように科学者の道を歩み始めていたところ、富士山の地中深く埋まった超巨大構造物と謎の生命反応に遭遇する。
同じ頃、Dr.ヘルが復活し、アメリカや日本の光子力プラントが占領された。一線を退いていた甲児も再びパイロットとして戦場に向かう。
「空にそびえる鉄の城 スーパーロボット、マジンガーZ〜」と歌う水木一郎の歌声を聞いたことがある人は多いはず。1972年から放映された、永井豪原作の巨大ロボットアニメ「マジンガーZ」が45年の時を経て、劇場版となって帰ってきた。
「マジンガーZ」はロケットパンチなど多彩な武器だけでなく、出撃シーンや合体シーンなど、その後のロボットアニメの原点といえる伝説のロボットアニメ。
劇場版は新たな戦いを描くので、これまでマジンガーZを見たことがない人でも安心して楽しめる。一方で、アニメ版を見ていた人には、思わず水木一郎と一緒に歌いたくなるシーンが用意されていた。想像以上の激アツに心が震える。
『マジンガーZ / INFINITY』
2018年1月13日公開
監督:志水淳児
声の出演:森久保祥太郎 茅野愛衣 上坂すみれ 花江夏樹 高木 渉 山口勝平 菊池正美 森田順平 島田 敏 塩屋浩三 石塚運昇
配給: 東映
©永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会
公式サイト: http://www.mazinger-z.jp/