YABOサタデー映画館―2017.11.25
『YABO』の由来は野望。
野望という強い意志を持って前向きに生きる人を取材し、その人の魅力や情報を発信するフリーペーパーです。
WEB版では毎週土曜日に「YABOサタデー映画館」を掲載。
作品をあらすじとともに野望や希望、理想にあふれる人物をYABO人としてピックアップします。
今週は下記の2作品をご紹介します。
『gifted/ギフテッド』
『火花』
『gifted/ギフテッド』
YABO人:フランク(クリス・エヴァンス)
フロリダでボート修理をしながら、6年半前に自殺した姉の遺児メアリー(マッケナ・グレイス)を育てている。メアリーは著名な数学者だった姉の才能を受け継ぎ、数学の天才的な能力を持っているため、小学校に入ると早々に問題を起こす。簡単すぎる算数の授業にイラついたのだ。校長からメアリーを特別な教育をする学校へ転校させるよう勧められるが、特別扱いを頑なに拒む。メアリーに普通の暮らしを求めていた姉の遺志を守るためだった。そこにメアリーの才能を知った母イブリン(リンゼイ・ダンカン)が現れ、メアリーに英才教育を受けさせようとする。メアリーの親権をかけて、母と裁判で争うこととなる。
ギフテッドとは生まれつき高度な知的能力を持つ子どものこと。本作ではギフテッドとして生まれた少女の教育環境を巡る祖母と叔父の対立について描かれている。叔父であるフランクは姉の遺志だけでなく、自身の経験からメアリーに普通の学校での生活を望んだ。一方、祖母イブリンは孫に歴史を変える才能を感じ、それを伸ばすことが大人の使命と考える。
幸せをどうとらえるかで答えは違い、この問題に正解はない。悩みながらも、男手ひとつでメアリーを懸命に育てるフランクをクリス・エヴァンスが演じている。ヒーローたちのリーダー的な存在である「キャプテン・アメリカ」として名を馳せたが、本作では揺れ動く心情を細やかに表現した。
『gifted/ギフテッド』
2017年11月23日(木・祝) 全国ロードショー
監督:マーク・ウェブ
出演: クリス・エヴァンス、マッケナ・グレイス、リンゼイ・ダンカン、ジェニー・スレイト、オクタヴィア・スペンサー
配給:20世紀フォックス映画
©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト: http://gifted-movie.jp/
『火花』
YABO人:お笑い芸人の徳永(菅田将暉)
若手コンビ「スパークス」としてデビューするが、まったく芽が出ない。営業先の熱海の花火大会で先輩芸人・神谷(桐谷健太)と出会う。その奇想な芸風と人間味に惹かれ、「弟子にしてください」と申し出る。了承した神谷から、「その代わりに俺の伝記を作って欲しい」と頼まれ、その日から神谷との日々をノートに書き綴る。
2年後、拠点を大阪から東京に移した神谷と再会し、毎日のように呑みに出かけ、芸の議論を交わし、仕事はほぼないが、才能を磨き合う充実した日々を送る。しかし、いつしか神谷との間にわずかな意識の違いが生まれ始める。
お笑いコンビ・ピースの又吉直樹の初純文学作品「火花」を原作に、又吉の先輩でもある板尾創路がメガホンを執った。そして、「笑い」に魅せられ、「現実」に阻まれ、「才能」に葛藤しながら、「夢」に向かって全力で生きる徳永と神谷を菅田将暉と桐谷健太が演じた。
注目は神谷の同棲相手・真樹を演じた木村文乃。監督の要望で髪を金髪にし、かなり強烈な変顔を披露する。その自然体の雰囲気がキュートな魅力を放ち、印象に残る。
YABOとして注目したいのは、神谷の相手役・大林を演じた三浦誠己。「漫才コンビのツッコミ役は、ボケ役よりも高度なお笑いの技術が要求されるため、経験者を入れたい」という板尾監督のこだわりによりキャスティングされた。以前、三浦誠己の主演作品『AMY SAID エイミー・セッド』で村本大志監督にインタビューした際、「(僕の野望は)この映画(『AMY SAID エイミー・セッド』)をきっかけに、ディケイドの俳優にビッグな仕事が決まって大ブレイクすることですね」と語っていた。三浦誠己が『火花』に出演したことを村本大志監督も喜んでいるだろう。
『火花』
2017年11月23日全国東宝系にてロードショー
監督:板尾創路
出演:菅田将暉、桐谷健太、木村文乃、川谷修士、三浦誠己、加藤 諒、高橋 努、日野陽仁、山崎樹範
配給:東宝
©2017『火花』製作委員会
公式サイト: http://hibana-movie.com/