茂木綾子監督最新作『フィシスの波文』 4月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

人はなぜ文様を描くのか?
京都に400年受け継がれる唐紙を起点に、文様にかたどられたフィシス(あるがままの自然)を辿る。

ピエール=アレクシィ・デュマ(エルメス アーティスティック・ディレクター)、皆川 明(ミナ ペルホネン デザイナー)、戸村浩(造形作家)らが出演。

(c)2023 SASSO CO.,LTD.

今年で創業400年を迎える、和紙に文様を手摺りする唐紙を継承してきた京都の工房「唐長」。その手仕事の現場から、本作は始まる。植物文、雲や星を表す天象文、渦巻きや波文などが刻まれた江戸時代の板木に、泥絵具や雲母を載せ、和紙に文様を写していく。その反復によって生み出される唐紙の、息をのむような美しさ。

あるがままの自然のかたち、動き、リズム、色合い。茂木綾子監督のカメラは、古の人々の視線と重なるかのように、文様と、その源となった自然の様を丁寧に映し出していく。
人はなぜ文様を描くのか? そこに、どのような感性や想いが表されているのか?
葵祭や祇園祭などの祭礼、寺社や茶事の空間に息づく文様。1万年余り前にイタリアの岩壁に描かれた線刻。古代ローマの聖堂を飾るモザイク。北海道のアイヌの暮らしに受け継がれている文様。文様に導かれるように、時空を超えて旅は繋がっていく。

芸術人類学者の鶴岡真弓は、京都の祭礼にインドやケルトなどユーラシア文明に共通する文様が用いられてきたこと、北と南の文明の出会いによって生まれた動物文様の陣羽織を豊臣秀吉が身につけていたことなどに触れ、「人々に生命力を与えるのが文様の根源的な使命」と語る。唐長十一代目の千田堅吉は「主役はあくまでも文様。思い入れを入れてはいけない仕事」と、日々作業を繰り返す。唐紙に注目するエルメスのアーティスティック・ディレクターは、「工芸によって形を変える行為は、混沌の中に宇宙を見出すこと」と語り、現代日本に拠点を置くアーティスト、皆川 明(ミナ ペルホネン デザイナー)、戸村 浩(造形作家)は、模様と空間、自然からのインスピレーションなどの視点から、自らの創作について真摯に語る。密やかに行われるアイヌの儀式や山の神への祈りの映像は、人と自然と文様との関係性を、より鮮明に浮きあがらせる。
『幸福は日々の中に。』(2016)、『島の色 静かな声』(2008)などの作品で注目を集めてきた茂木綾子監督による、美の瞬間を追う映像詩と、イギリス前衛音楽家フレッド・フリスの音が響き合う、最新作。

(c)2023 SASSO CO.,LTD.

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茂木綾子(Ayako Mogi)監督コメント
唐長の唐紙文様はとてもシンプルで洗練され、大変心落ち着くものです。また、世界中の様々な暮らしの中にある文様は、ずっとそこにありながら、実はとても不思議な存在に感じられます。
きっと遠い昔から、人が自然を神々として捉え、その美と力に近づこうと文様の原型が生まれたのではないでしょうか。
私も同様に、自然の完璧な美に常に感動し、太古から続く自然を愛する人々の営みに対する共感とともに、この作品を制作しました。

<プロフィール>
写真家、映像作家。1992 年キャノン写真新世紀荒木賞受賞。97 年よりミュンヘン、2006 年よりスイスのラ・コルビエールにて活動。09 年淡路島へ移住し、アーティストコミュニティ「ノマド村」の活動を展開。写真集『travelling tree』(赤々舎)、映画『島の色 静かな声』(2008)、『幸福は日々の中に。』(2015)、『zen for nothing』(2015)など。

■フィシスとは 
古代ギリシャ語で「あるがままの自然」を意味する。日本の自然(ジネン)に通じる。

『フィシスの波文』 ※読み:ふぃしすのはもん 
2023年/85分/日本/カラー・モノクロ/1.90:1/ステレオ
監督・撮影・編集/茂木綾子
出演/千田堅吉(唐長十一代目 唐紙屋長右衛門)、千田郁子(唐長)
鶴岡真弓(芸術人類学者)
ピエール=アレクシィ・デュマ(エルメス アーティスティック・ディレクター)
戸村 浩(造形作家)
皆川 明(ミナ ペルホネン デザイナー)
門別徳司(アイヌ猟師)
貝澤貢男(アイヌ伝統工芸師)ほか
サウンド/ウエヤマトモコ
音楽/フレッド・フリス
タイトル考案/中沢新一(人類学者)
宣伝美術/須山悠里
プロデューサー/河合早苗
企画・製作・配給:SASSO CO.,LTD.
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会
©︎2023 SASSO CO.,LTD.

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4月6日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

2024-01-31 | Posted in NEWSComments Closed 
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