イメージフォーラム・フェスティバル2022 主要ラインナップ発表!

この度、イメージフォーラムでは、商業性にとらわれず先鋭的・実験的な映像作品、話題作を世界中から集めて、映像アートの最新動向を紹介する「イメージフォーラム・フェスティバル2022」を開催いたします。
36回目となる今年度は、「アンダーグラウンドを再想像する」と題し、表現の自由が大幅に制限されている中国で生まれるつつある新世代による映像を紹介する特集プログラム「“青年特快”―中国インディペンデント映画の新しい声とヴィジョン」、コロナ下での制限された映画制作状況を逆手に取って今しか撮れない映像的表現を試みたミゲル・ゴメス(『熱波』、『アラビアンナイト』)の新作、ミャンマーで初めて芽生えつつある実験映像集、1960年代のアンダーグラウンド・カルチャーの洗礼を受けつつ現代美術家としてますます世界的に評価が高まっている田名網敬一の軌跡をたどる特集など、注目作から歴史的プログラムまで幅広くラインナップします。 また、昨年に引き続き、渋谷のランドマークである展望施設・SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)と連携し、ROOFTOP “LIVE” THEATERを実施。オープニング上映として『シスターズ・ウィズ・トランジスターズ』を上映します。
スパイラルホールでの恒例となったライブ演奏つき上映は、蓮沼執太&ユザーンが今年生誕140年となる女性映画作家のパイオニア、ジェルメーヌ・デュラックの『貝殻と僧侶』とコラボレーション。シュルレアリスムの古典的名作に新たな解釈で挑みます。
2018年より現体制となった「東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション」は過去最大の461作品の応募がありました。
一次、二次の予備審査を経て、ノミネート作品を決定。新進作家からベテランまで、同地域の今を映し出す作品が賞を競います。

【イメージフォーラム ・フェスティバルとは】

イメージフォーラム・フェスティバルは作家性、芸術性、創造性の高い映像作品を世界中から集めて上映する日本最大規模の映像アートの祭典です。前身の「アンダーグラウンド・シネマ新作展」(1973年~)と「実験映画祭」(1981年~)の流れを引き継ぎ、より国際的な内容と作品の一般公募を盛り込んで1987年にスタートしました。
一般公募部門は日本における先鋭的な若手映像作家の登竜門としても知られ、山村浩二、河瀬直美、石田尚志など、現在国際的に活躍する映像作家、アーティストの作品が過去に入選しています。2018年に、それまで国内に限定していた募集範囲を拡大し、「東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション」がスタートしました。東アジアの国際間における相互の交流と刺激によって、これからの芸術表現を模索し、メディア環境を含めた社会のあり方について考える場を創出します。(http://www.imageforumfestival.com

「イメージフォーラム・フェスティバル2022」東京会場

シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区渋谷2-10-2)9月17日(土)~23日(金)
スパイラルホール(東京都港区南青山5-6-23)9月17日(土)~19日(月)
SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)(東京都渋谷区渋谷2-24-12)9月16日(金)、18日(日)、24日(土)、25日(日)

主催:イメージフォーラム
共催:SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)
会場協力:株式会社ワコールアートセンター
協賛:株式会社ダゲレオ出版
助成:芸術文化振興基金、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、アンスティチュ・フランセ日本
協力:在日ポルトガル大使館、渋谷東急REIホテル

※京都会場、名古屋会場のプログラムについても順次発表します。

【公式サイト】http://www.imageforumfestival.com/2022
【Twitter】@Image_forum 【Facebook】@imageforum.japan 【Instagram】image_forum

上映プログラム

[東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション]
「東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション」は日本、中国、香港、台湾、韓国の東アジア地域を対象とした公募部門であり、同地域出身または在住の作家による2020年以降に制作された作品を対象としています。本年は461作品の応募があり、一次審査、二次審査を経て東アジアの「今」を映し出す注目作品がノミネートされました。
また、本コンペティションは新しい才能を発掘する場であるとともに、ベテランと新進作家が互いに賞を競う場でもあります。最終審査は会期中に行われ、9月23日にシアター・イメージフォーラムで行われる授賞式で入賞6作品と観客賞を発表します。

最終審査員
イップ・ユック=ユー(映像作家、メディアアーティスト、キュレーター)
濱治佳(山形国際ドキュメンタリー映画祭 東京事務局長)
馬定延(映像メディア研究者)

大賞/1点 賞金30万円、賞状
寺山修司賞/1点 賞金10万円、賞状
SHIBUYA SKY賞/1点 賞金10万円、賞状
優秀賞/3点 賞金3万円、賞状
観客賞/1点 賞状

ノミネート作品

○コンペティション1
『海になるための1001回の試行(One Thousand and One Attempts to Be an Ocean)』/ワン・ユーヤン/
12分/2021(中国)
『蟹眼(Kaigan)』/前田青空/デジタル/12分/2022(日本)
『骨嚙み(A Bite of Bone)』/矢野ほなみ/デジタル/10分/2021(日本)
『メルティング・アイスクリーム(Melting Icecream)』/ホン・ジンフォン/デジタル/70分/2021(韓国)

○コンペティション2
『喪失の家(The House of Loss)』/チョン・ジンギュ(全振圭)/デジタル/10分/2022(韓国)
『生後睡眠ヶ月(Sleepinager Waking)』/藤井アンナ/デジタル/11分/2021(日本)
『不安な体(Anxious Body)』/水尻自子/デジタル/5分/2021(日本)
『亡霊の堆積(A Pile of Ghosts)』/エラ・ライデル/デジタル/70分/2021(台湾)

○コンペティション3
『照明(The Lighting)』/ムスクィーキ・ジーイング/デジタル/21分/2021(台湾)
『雪解け(Thawing)』/ノガミカツキ/デジタル/3分/2021(日本)
『I’m Late』/冠木佐和子/デジタル/10分/2021(日本)
『幾多の北(Dozens of Norths)』/山村浩二/デジタル/64分/2021(日本)

○コンペティション4
『長い道のり(A Long Walk)』/エリサ・ウェンディ+リー・ワイセン/デジタル/15分/2022(香港)
『TUNOHAZU』/手塚眞/デジタル/32分/2021(日本)
『おばあちゃんのはさみ(Grandma’s Scissors)』/エリカ・シュー/デジタル/6分/2021(台湾)
『合成人間のリハビリ(Synthetic human rehabilitation)』/芹沢洋一郎/デジタル/49分/2022(日本)

○コンペティション5
『銀幕(Silver Cave)』/チャイ・チャイべイ/デジタル/14分/2022(中国)
『The cleaning lady after 100 years : Spectre』/七里圭/デジタル/19分/2022(日本)
『壊れた太陽の心(A Short Story)』/ビー・ガン/デジタル/15分/2022(中国)
『ユーモレスク(Humoresque)』/磯部真也/デジタル/46分/2022(日本)

○コンペティション6
『モルティング(Molting)』/保田克史/デジタル/14分/2021(日本)
『終わりの時と祖先の軌跡(End Time and The Trajectories of Ancestors)』/エドウィン・ロー・ユンティン
/デジタル/34分/2022(香港)
『半島の鳥(Bird in the Peninsula)』/和田淳/デジタル/16分/2022(日本)
『Flos Pavonis』/百瀬文/デジタル/30分/2021(日本)

[エクスペリメンタル・パノラマ]

○特集:“青年特快”―中国インディペンデント映画の新しい声とヴィジョン
ビー・ガン、フー・ボーなど日本でも新たな作家が続々と紹介されている中国のインディペンデント映画界。様々な都市にまさに「群雄割拠」する若手作家たちは国際映画祭でも注目の的だ。「青年」をキーワードに、知られざる最新の動向を5プログラムに渡り紹介する。

○香港最新エクスペリメンタル映像特集「虚な地からの歌」
香港在住のアーティストたちによる、香港についての映像作品集。コンピューターのアルゴリズ ム・ビジョン、手描きアニメーション、実験的ドキュメンタリーと様々なアプローチで、香港の“今”が表象される。(キュレーション:イップ・ユック=ユー)
『不確定性原理:雨』 監督:ヘクトル・ロドリゲス/デジタル/5分/2018(香港)
『連続する平行線』 監督:マックス・ハトラー/デジタル/9分/2019(香港)
『機密記録:執行』 監督:ヴヴゼラ・クック/デジタル/4分/2019(香港)
『彼の屍を越えて』 監督:エドウィン・ロー・ユンティン/デジタル/10分/2022(香港)
『店を見る』 監督:ジョリーン・モク/デジタル/15分/2015(香港・日本)
『喘鳴する洞窟』 監督:ジェス・ロー・チン=ワ/デジタル/11分/2021(香港)
『パパは誰』 監督:ウォン・ピン/デジタル/9分/2017(香港)
『革命は空調されていない』 監督:ワン・ボー/デジタル/27分/2022(香港)

○『ツガチハ日記』  監督:ミゲル・ゴメス+モーレン・ファゼンデイロ/デジタル/102分/
2021(ポルトガル+フランス)
新型コロナウイルスのロックダウン期間に静かな農村で映画撮影をするクルー。ポルトガルの眩い陽光の中、思い思いに親密な日々を過ごす男女。作品のタイトルが示すごとく、彼らの日記が逆順に語られてゆく。夏真っ盛りの月である八月への賛歌であると同時に、作品づくりにおける創造性についての賛歌でもある本作は、『熱波』などで知られる注目の映画作家ミゲル・ゴメスの最新作。



○『コルシーニ、ブロンベルグとマシエルを歌う』  監督:マリアノ・ジナス/デジタル/100
分/2021(アルゼンチン)
IFF2021で上映された868分の大作『ラ・フロール 花』のマリアノ・ジナスの最新作。イタリア生まれのアルゼンチンの歌手イグナシオ・コルシーニについての映画で、アルゼンチン・タンゴを切り口に、19世紀のアルゼンチンの歴史を紐解いていく。名曲の再レコーディング風景と、曲の歌詞に描かれた場所を訪れて曲の背景を調べる過程を挟み入れるなど『ラ・フロール花』同様、メタ映画的な手法が見る者を楽しませる。

○『大いなる運動』  監督:キロ・ルッソ/デジタル/85分/2021(ボリビア+カタール+フランス+スイス+イギリス)
標高3,600メートルに位置するボリビアの首都ラパス。1週間をかけてこの街にやって来た若い鉱山夫が謎の病に冒される。薬草や呪いで青年を癒そうとする医者たち。青年の悪夢は都市と混濁し、観客もその超自然的な意識に幻惑される。ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門審査員特別賞を始め多くの賞に輝く、ラパスを主題とした都市交響曲的作品。

■オン・スクリーンLIVE 『貝殻と僧侶』×蓮沼執太&ユザーン
会場:スパイラルホール
生誕140周年、没後80年、最初期の女性映画作家のひとり、ジェルメーヌ・デュラックによる世界最初のシュルレアリスム映画『貝殻と僧侶』が蓮沼執太&ユザーンのライブ演奏により新たな魅力を放つ。この時にしか出会えない1回限りの映画体験!
『貝殻と僧侶』ジェルメーヌ・デュラック/35ミリ(デジタル版)/40分/1928(フランス)
ライブ演奏:蓮沼執太&ユザーン

蓮沼執太&ユザーン

■<フィルムメーカーズ・イン・フォーカス>田名網敬一特集
グラフィックデザイナー、美術家としても国際的な評価の高い田名網敬一の映像作品を大特集!近年アーカイブされた初期の実験映画/実験アニメーションから最新アニメーション作品『赤い陰影』まで、60年近くに及ぶ創造の軌跡 をたどる。

2022-08-16 | Posted in NEWSComments Closed 
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