児童養護施設の子どもたちを追ったドキュメンタリー映画『ぼくのこわれないコンパス』のクラウドファンディングがスタート!

児童養護施設に暮らす子どもたちが直面している問題を扱ったドキュメンタリー映画『ぼくのこわれないコンパス』のクラウドファンディングが、7月21日にKickstarterでスタートした。

(c)映画「ぼくのこわれないコンパス」実行委員会

日本の児童養護施設で育った父親のルーツを辿るために来日したアメリカ人の映像作家マット・ミラーは、児童養護施設で暮らす子どもたちがアウトドア体験を通して自分の道を自分の力で切り拓ける「生きる力」を育むことを目的とする認定特定非営利活動法人『みらいの森』で映像を撮るようになった。

(c)映画「ぼくのこわれないコンパス」実行委員会

現在日本には、生みの親と暮らせない児童養護施設に暮らす2歳から18歳の子どもたちが約25,000人いる。里親家庭や乳児院などのその他の社会的養護下に置かれている子どもたちを含めると、約45,000人に上る。

児童養護施設に入所している子どもたちの内、約6 割は虐待を経験しているが、この子どもたちには、カウンセリングなど、十分なメンタルヘルスのサポートが無いこと、さらに、原則18歳の高校卒業と同時に施設を退所することが定められており、まだ経済力がない中、衣食住すべての自立が求められるという現実を知り、ショックを受け、社会への発信が必要だという思いに至る。

(c)映画「ぼくのこわれないコンパス」実行委員会

その『みらいの森』の参加者の一人・トモヤ(現在20歳)は、マットとの出会いと交流をキッカケに「自分と同じような境遇にある子どもたちの、声なき声の代弁者になりたい」と決意。18歳以下の児童養護施設の子ども達は、引き離されている親御さんの同意書が必要になってくるため、ドキュメンタリーに顔や声を出すことは難しい。親の同意なく出演できる年齢となったトモヤは、児童養護施設の子ども達を代表し、本ドキュメンタリーの被写体となることに同意した。

トモヤが12歳だった2012年6月、実の母親とその夫がメモと1000円だけを残して数日外泊していることを学校の先生が知り、母親の帰宅まで児童相談所に保護される。13歳になった9月には学校の健康診断で背中に痣が見つかり、児童相談所で数日、一時保護所で2ヶ月過ごした後、児童養護施設に入所。そこで見つけた安心できる生活と、『みらいの森』との出会いなど10代の自分に起こった出来事を、トモヤ本人が自分の言葉で告白。マットのカメラは、トモヤや他の子どもたちの“目”となり、様々な背景を持った彼らの心や、施設での毎日の暮らし、そして大自然の中で「生きる力」を取り戻していく道筋を、 詩的に映し出していく。

(c)映画「ぼくのこわれないコンパス」実行委員会

本作は、これまで直接聞く機会がほとんどなかった子どもたちの心に光を当て、児童虐待や、ネグレクト、そして子ども達のメンタルケアの欠如などの社会問題に正面から向き合い、社会に発信することで、関心をもってもらうことを目指している。

このドキュメンタリー映画の完成に向け、到達しない場合は1円も受け取ることができない「All or Nothing方式」を採用した500万円を目標とするクラウドファンディングがKickstarterにてスタート。本日より、9月22日正午まで支援を募集している。

『ぼくのこわれないコンパス』 は2019年完成予定


「ぼくのこわれないコンパス」クラウドファンディング概要

■目標金額:500万円
※500万円を集めることを目標とし、到達しない場合は1円も受け取ることができない「All or Nothing方式」を採用。
■期間:2019年7月21日(日)正午〜9月22日(日) 正午
■特典:エンドロールクレジットに名前がクレジットされる権利、本作をダウンロードする権利、KEENのシューズ、ヘリコプター周遊にご招待、スカイダイビングにご招待など8つのコース
https://www.kickstarter.com/projects/thethingswecarry/the-invincible-compass

主人公:トモヤ コメント
「私にとって、児童養護施設は我が家でした。心から安心して日々を送れることが私の人生を好転させてくれました。多くの子ども達が同じ気持ちだと思います。一方で、児童養護施設に暮らす子どもたちの多くが心の傷を負っていますが、それに対する心のケアが足りていないことは大きな社会的問題だと感じています。この映画を通して、一人でも多くの人に、カウンセラーらによるケアを必要としている大勢の子ども達がいる事実を知っていただきたいのです。当時、私自身も心のケアを必要としていました。あの時、みらいの森のプログラムに出会い、前向きな気持になれた事は幸運な事だったと心から思います。いつか、私も子ども達を支えるケアワーカーの一人になれたらと考えています。」

監督:マット・ミラー(Matt Miller) コメント
「私は法律を作ることはできませんが、映像作家である私は“意識を変えるきっかけ”を創造することができます。社会から取り残された声なき子どもたちの声を社会と共有するために、映画というプラットフォームを通して積極的な役割を果たせるはずです。この映画に心動かされない人はいない、と確信しています。」

オフィシャル・ホームページ
https://my-invincible-compass.com/

2019-07-21 | Posted in NEWSComments Closed 
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