YABOサタデー映画館―2017.7.8
『YABO』の由来は野望。
野望という強い意志を持って前向きに生きる人を取材し、その人の魅力や情報を発信するフリーペーパーです。
WEB版では毎週土曜日に「YABOサタデー映画館」を掲載。
今週公開の作品をあらすじとともに野望や希望、理想にあふれる人物をYABO人としてピックアップします。
今週ご紹介するのは下記の5作品です
『ジョン・ウィック:チャプター2』
『ヒトラーへの285枚の葉書』
『メアリと魔女の花』
『ライフ』
『歓びのトスカーナ』
『ジョン・ウィック:チャプター2』
ニューヨークを舞台に、引退した暗殺者ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)とロシアン・マフィアの死闘を描いた前作の5日後からスタート。ジョンは再び隠遁生活に入るが、かつての仲間から決して断ることのできないミッションを受ける。それはイタリアン・マフィアのボス暗殺の依頼だった。ジョンはローマへと潜入するが、そこには二重三重に張り巡らされた罠と、最強の殺し屋軍団が待ち構えていた。
カンフーなどの打撃や投げに近距離で銃弾を撃ち込む銃撃を組み合わせ、流れるように相手を抹殺する。前作でガン・フーと呼ばれたアクションは柔道・柔術技の割合をさらに多くしてパワーアップ。さらに映画の序盤ではフォード・マスタング マッハ1を豪快に破壊しながら敵を次々と倒していくカー・フーを披露。前作よりさらに絶望的な状況の中で、研ぎ澄まされた戦闘能力で生き残るジョンをキアヌ・リーブスが好演。前作公開後に、法廷ミステリー(『砂上の法廷』)、サイコスリラー(『ノック・ノック』)、クライムスリラー(『エクスポーズ 暗闇の迷宮』)サイコホラー(『ネオン・デーモン』)と出演しているが、ジョン・ウィックがいちばんのハマり役ではないだろうか。
YABO人:伝説の殺し屋ジョン・ウィック/コードネーム:ブギーマン(キアヌ・リーブス)
かつて殺し屋界を震撼させた伝説の殺し屋。現役時代の主な仕事は“殺し屋を殺すこと”。最強の名をほしいままに、数々の伝説を残したが、ある時、愛を知り現役引退を決意。引退の条件に突きつけられた“絶対に不可能なミッション”を完遂し、見事殺しのない普通の暮らしを手にいれる。しかし平穏な日々もつかの間、愛する妻が病に倒れ死別。遺された愛犬をマフィアに殺されたことをキッカケに、また裏稼業に引きずり戻されてしまう。そして、亡き妻の思い出が詰まった我が家を破壊されたとき、怒りは頂点に達した。
『ジョン・ウィック:チャプター2』
7月7日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国公開
監督:チャド・スタエルスキ『ジョン・ウィック』
出演:キアヌ・リーブス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン
配給:ポニーキャニオン
©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト:http://johnwick.jp/
『ヒトラーへの285枚の葉書』
息子の戦死をきっかけにナチの独裁政権に疑問を持った労働者階級の夫婦オットー(ブレンダン・グリーソン)とアンナ(エマ・トンプソン)。2人がゲシュタポの捜査網をかいくぐりながら、ペンと葉書だけを武器にして命がけの抵抗運動に身を投じていく。
息子の死を悲しみ、ヒトラーと戦争、夫のせいだと声を荒げる妻。それを黙って受け止め、ペンを取った夫。同じ悲しみでも現れる行動は違う。しかし、悲しみを共有することで、互いへの愛を忘れかけていた夫婦が再び絆を深めていく。主人公2人を円熟した演技で体現するエマ・トンプソンとブレンダン・グリーソンをじっくり味わいたい。
YABO人:労働者階級の夫婦オットー(ブレンダン・グリーソン)とアンナ(エマ・トンプソン)
夫は「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」と怒りのメッセージをポストカードに記し、それをそっと街中に置いた。次第に妻も協力するようになる。夫婦はささやかな活動を繰り返すことで魂が解放されるのを感じ、政権批判を記したポストカードは285枚に及んだ。
『ヒトラーへの285枚の葉書』
7月8日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他全国順次公開
監督:ヴァンサン・ペレーズ
出演:エマ・トンプソン、ブレンダン・グリーソン、ダニエル・ブリュール、ミカエル・パーシュブラント、モニーク・ショメット
配給:アルバトロス・フィルム
© X Filme Creative Pool GmbH / Master Movies/ Alone in Berlin Ltd / Pathé Production / Buffalo Films 2016
公式サイト:http://hitler-hagaki-movie.com/
『メアリと魔女の花』
『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)で運命に翻弄されながらも、新たな地へと出立する少女を描き、『思い出のマーニー』(2014年)で孤独と向き合いつつ、次の一歩を踏み出すヒロインを描いた米林宏昌監督。『メアリと魔女の花』はスタジオジブリ退社後の第一作目。他の魔法文学とは一線を画し、“魔女”や“魔法使い”を扱いながらも、持ちえた魔法の力に頼らずに歩もうとする少女メアリを主人公とする。手書き美術による世界最高峰の背景美術は精緻で美しく、作品全体が宮崎駿監督やジブリの作品へのオマージュにあふれている。誰かと一緒に見に行き、鑑賞後に、どのシーンが何の作品へのオマージュなのかを語り合うとより楽しいだろう。
YABO人:赤毛にそばかすの少女・メアリ
明朗で快活、天真爛漫だが不器用で、毎日に不満を抱えていた。あるとき、森の中で7年に1度しか咲かない禁断の魔女の花を見つける。花が持つ魔法で“変身”を遂げて一夜限りの魔女になるが、それは奇想天外な大冒険のはじまりだった。大切な人たちとの小さな約束を守るため、魔法ではなく、自分の力で奮闘する。
『メアリと魔女の花』
2017年7月8日全国東宝系にてロードショー
脚本・監督:米林宏昌
声の出演:杉咲花、神木隆之介 / 天海祐希、小日向文世 / 満島ひかり、佐藤二朗、遠藤憲一、渡辺えり / 大竹しのぶ
©2017「メアリと魔女の花」製作委員会
公式サイト:http://www.maryflower.jp/
『ライフ』
火星から未知の生命体が採取され、宇宙飛行士6人が国際宇宙ステーション(ISS)内で極秘調査を始める。生命体は次第に進化・成長し、宇宙飛行士たちを襲い始めた。無重力の宇宙船内で直面する恐怖と死闘を描いたSFパニックホラー。
宇宙飛行士のメンバーに、ジェイク・ジレンホール、レベッカ・ファーガソン、 ライアン・レイノルズなどと共に真田広之が出演。クルーでいちばんベテランのシステム・エンジニアとしてかなり重要な役を演じている。これは日本人としてやっぱりうれしい。
船内のクルーが次々と襲われていく恐怖を描いているが、描かれていないラストの先が実はいちばん恐ろしい。想像することで怖さが倍増する。
YABO物:未知の生命体カルビン
火星で採取され、国際宇宙ステーション(ISS)内に持ち込まれる。カルビンと名付けられ、最初はかわいく成長し、マスコット的存在に。施設内にトラブルが発生して休眠状態となるが、心配した英国人科学者ヒュー・デリー(アリヨン・バカレ)が電気ショックを与えて蘇生を試みたところ、狂暴化。ヒューの腕を砕いてしまう。そして実験用として飼育されていたマウスを捕食し、さらに巨大化する。
YABO人:宇宙飛行士のひとり、ミランダ・ノース(レベッカ・ファーガソン)
疾病対策センターから出向でミッションに参加している検疫官。宇宙でどんなものに遭遇しても、クルーと地球上の人々の健康を守ることを第一とする。
『ライフ』
7月8日(土)全国ロードショー!
監督:ダニエル・エスピノーサ
出演:ジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズ、レベッカ・ファーガソン、真田広之
© 2017 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.
公式サイト:http://www.life-official.jp/
『歓びのトスカーナ』
トスカーナにある精神診療施設では心にさまざまな問題を抱えた女性が集まり、社会復帰に向けての療養と治療のプログラムを受けている。ベアトリーチェ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)もそのひとり。そこにドナテッラ(ミカエラ・ラマッツォッティ)が入ってきた。ルームメイトになった2人が施設を抜け出して逃避行を続けるうちに、かけがえのない友情で結ばれていく。
まるで正反対の主人公たちだが、逃避行の途中で判明するそれぞれの生い立ちから、共通するものが見えてくる。ベアトリーチェは裕福な家庭に生まれ育ち、著名な弁護士と結婚するが、きちんと向き合って愛されたことがないらしい。またドナテッラも両親に見捨てられている。心に寂しさを抱えた2人が時にはケンカをしながらもお互いを認め合う関係を築いていくことで手に入れたものは友情だけではなく、心の健康かもしれない。
YABO人:自称・伯爵夫人のベアトリーチェ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)。
極度の虚言と妄想癖があり、超ハイテンションで周囲の人を振り回す。
逃避行の途中で再び病院に収容されたドナテッラを助けるため、かつて住んでいた邸宅に戻り、元夫を睡眠薬で熟睡させ、彼のタブレットを使ってドナテッラの過去の事件について調べあげる。そして、寝室の金庫から宝石を盗み出して軍資金を調達。ドナラッテの希望を叶えるために奔走する。
YABO人:ドナテッラ(ミカエラ・ラマッツォッティ)
つねに何かに怯えているようなローテンションで自らの殻に閉じこもる。未婚のまま出産するが、うつ病からわが子を抱いて身投げをしてしまう。運よく助けられるが、母親失格として子どもを取り上げられ、わが子との再会を望んでいる。
『歓びのトスカーナ』
7月8日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督:パオロ・ヴィルズィ(『人間の値打ち』)
出演:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ミカエラ・ラマッツォッティ
配給:ミッドシップ 後援:イタリア大使館、イタリア文化会館
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公式サイト:http://yorokobino.com/