『愚行録』妻夫木 聡&石川 慶監督大ヒット御礼トーク&ティーチ・イン イベントレポート

先日、お知らせした『愚行録』妻夫木 聡&石川 慶監督トーク&ティーチ・インが、新宿ピカデリーで3月28日(火)に行われました。

作品上映後に妻夫木 聡さんと石川 慶監督が登壇してトークを繰り広げ、会場からの映画の内容や撮影に関する質問に答えました。さらにその後、大ヒットを感謝して、プレゼント大会を実施。
当選者には妻夫木さん、満島さんのサイン入りポスターが渡されました。
妻夫木さんのサイン入りポスター当選者は恥ずかしかったのでしょうか、反応が控え目でしたが、満島さんのサイン入りポスター当選者は大喜び。後半はとても盛り上がりました。

【トーク&ティーチ・イン レポート】

<ご挨拶>
妻夫木:公開(2/18)からだいぶ経っているのですが、お越しいただきありがとうございます。今日は楽しみにしてください。

石川監督:妻夫木さんとのトークが実現できて、皆さん以上に楽しみにしておりました(会場に笑)よろしくお願いいたします。

<映画についての反響>
妻夫木:同業者の方や小説を書いている方、僕のまわりにいる方々、めったに連絡を取っていない方からもメールを頂いたりして、「すごく素晴らしい作品だった」「面白かった」というお話をいただきました。

石川監督:みなさんから、胸くそ悪いとか、週末が痛々しいとか(会場に笑いが)褒め言葉に聞こえないような褒め言葉をいただいているのですが(笑)、作り手としてはこういうものが届けたい、というメッセージがちゃんと届いたと思える感想をいただいているので、本当に嬉しく思ってます。

<観客からの質問>
Q 先日のティーチ・インの時に、満島さんは、妻夫木さんと兄妹役を演じる上で、妻夫木さんの黒い部分をとらえるようにして演じた、とおっしゃっていました。妻夫木さんご自身では、黒い部分はあると思いますか?

妻夫木:黒い部分…人間誰しもが持っている部分だと思います(笑)ひかりちゃんとは、兄妹役も多かったし、日頃の相談もいっぱい受けました。僕なりに大人っぽい返事をしていたつもりでしたが、黒い部分ということは、「そんなに強くないだろう」と思われていたんでしょうか。僕の人間性の裏の部分を見ながら演じていたなんて(笑)

Q 役作りについて気にかけていたことは?

妻夫木:よく、役作りについては、李相日監督から「まとっているね」と言われたりもしますが、この役については、あまり演じるということをしていなかったと思います。原作では田中という役がはっきり描かれてなかったですから。ただ、この役をどう作りあげるかについて、お芝居の温度については石川監督と通じ合うところが最初からありましたね。お芝居をする中で、突発的なことがあったり、思わず感情や行動を誇張してしまうことも多いですが、そういうことがないように意識しました。

Q 本作では、3度の衝撃が続きます。どの衝撃が一番心に残りましたか?

石川監督:最後の衝撃については、原作で読んでも重くてどう受け取るか、自分の中で結論が出ず悩んでいましたが、最後のシーンを撮る時に、満島さんからヒントを受けてこういう解釈でもいいのだと、ストーンと落ちてもいいと思って納得しましたね。最後の衝撃をどのように受け止めるのか、重要な衝撃シーンだった思います。

妻夫木:僕も最後の衝撃のシーンだと思います。原作でも、徐々に匂わせる中での衝撃だったし、まるで後ろからナイフで刺された気持ちでした。また、最後のシーンでの撮影も苦労した思いでがあります。満島さんと向き合いながらトークするシーンですが、普段日本での撮影手法だと、カメラの数を多くしてお互い目を合わせながらお芝居ができる環境ですが、本作の撮影を担当したポーランド人のピオトルは、全然目線を合わせない撮影手法だったので、その現場の空気感をはじめ、ある意味面白い体験でした。ただ、最後のシーンでは、すごくテイクを重ねていて…(苦笑)最後、監督からOKはいただいたものの、このシーンについて「本当にあれでよかったんですかね。」と何度も監督に聞いてて(笑)完成後の初めての試写でも、公開1週間前でも「最後のシーン、あれでよかったですかね」と。2月中も、このやり取りしてますからね(会場に笑い)

石川監督:そこを納得するシーンにしてしまうと、答えがはっきりしてしまいますからね(笑)

妻夫木:僕にとっては、観客にも想像も与えらえる映画って面白いなーということを気づかせるシーンでした。

<最後のひとこと>
妻夫木:『愚行録』は、重い話ではありますが、こういう作品だからこそ、愛してくださるみなさんがいらしゃって本当に嬉しく思います。映画は生き物であって、本作を通じて、いいこと、悪いこと、そして、愚行とはなんだろう、ということを今後も一緒に考えてほしいなと思います。

石川監督:『愚行録』という企画も、本作で長編を作り上げることも、全てがチャレンジでした。まだまだ上映が続いておりますので、ぜひ、周りの方々に本作の魅力を語ってくださることが励みになります。本日はどうもありがとうございました。

映画『愚行録』
【STORY】
閑静な住宅街で起こった一家惨殺事件。被害者・田向浩樹(小出恵介)は大手デベロッパーに勤めるエリートサリーマン。妻の友季恵(松本若菜)は物腰が柔らかく、近所からも慕われる上品な美人。ふたりは娘とよく買い物に出かけるなど、誰もが羨む仲睦まじい≪理想の家族≫として知られていたが、田向は1階で友季恵と娘は2階寝室で刺殺された姿で発見され、世間を騒然とさせた。未解決のまま一年が過ぎ、風化していく事件。週刊誌記者の田中(妻夫木聡)は改めて真相を探ろうと関係者の証言を追い始める。しかし、そこから浮かび上がってきたのは田向夫妻の外見からは想像もできない噂の数々だった-。

出演:妻夫木 聡 満島ひかり
小出恵介 臼田あさ美 市川由衣 松本若菜 中村倫也 眞島秀和 濱田マリ 平田 満
原作:『愚行録』貫井徳郎 脚本:向井康介 音楽:大間々 昴 監督:石川 慶
配給:ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野

(C)2017「愚行録」製作委員会
公式サイトhttp://gukoroku.jp/

2017-03-31 | Posted in NEWSComments Closed 
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