染谷俊之さんがラジオディレクター役に挑戦！「2018年を笑って締め括れるような作品にしたい」

舞台「ジーザス・クライスト・レディオスター」が、2018年12月12日より東京・紀伊國屋ホールで上演される。
本作は、人気演劇作家の西田大輔と元お笑い芸人で気鋭の脚本家、家城啓之（マンボウやしろ）のコラボレーションによるワンシチュエーションコメディー。
ラジオ局を舞台に、カリスマDJ・ジーザスの特番を取り仕切るディレクター 長谷部翼を演じるのは、映画、舞台、声優など幅広いジャンルで活躍中のイケメン俳優・染谷俊之さん。本作にかける意気込みや芝居をするうえで大切にしていることを染谷俊之さんにうかがいました！

（染谷俊之さん）

■ ラジオディレクター役に初挑戦！

― 本作でラジオディレクター役を演じることが決まった時は、どのようなお気持ちでしたか？

染谷　僕はラジオに出ている側なので、まさかディレクター役をやるなんて思わなかったです。今、ラジオのレギュラー番組を持たせていただいているのですが、このお話をいただいてから、ディレクターさんの服装やしぐさを研究するようになりました。キュー（収録開始の合図）の出し方も人それぞれ違うので面白いなと思っています。

― 現場のディレクターは役作りの参考になりますね。染谷さんはどんなキューの出し方をされるのですか？

染谷　僕は普通ですよ(笑)。長谷部はわりと普通というか、周りが濃いキャラクターたちで、僕らは翻弄される役なんです。

― たしかに個性的な人物が次々に登場しますね。染谷さんが演じる長谷部翼はどのような人物ですか？

染谷　まだ稽古段階なので完全には掴みきれていないのですが、ディレクターとして現場をまとめるのが上手い人物だなと思います。これは演出の西田大輔さんもおっしゃっていたのですが、長谷部は、現場に携わっていくうちに現場の嫌な部分を知ってしまい、新米ADの清水が熱いハートで正論を言ってくるのに対して、少しイラッとしてしまうという人間らしい部分があるんです。

― 長谷部も新人の頃は清水のような純粋さや熱いハートがあったのかもしれないですね。

染谷　そうですね。性格も本当は明るい人間なのかもしれないですが、清水に対してつらくあたっています。最初は心を開いていない、誰も信用していない状態です。いろんなハプニングが起きて、みんなでそのハプニングを乗り越えていくうちに、彼自身に何か小さな変化が起こるのかもしれませんが…。

― 演出の西田さんとはどのような話をされましたか？

染谷　清水に対して目も合わせなくていいとか、すごくつらくあたって欲しいとか、余計な情報は入れないで欲しいとか、そうしたアドバイスをいただきました。ラジオの生放送の収録現場に個性豊かなキャラクターが揃いますが、ラジオに関してはまったくの素人が集まっているので、僕はそれを仕切らなきゃいけない立場。丁寧に説明しつつも、「あと2分しかない！」という状況なので、説明上手でテキパキして欲しいといったアドバイスもいただきました。

― 演技について西田さんとディスカッションすることはありますか？

染谷　毎日新しいシーンの稽古をしているので、毎日役について話をしている気がします。西田さんは現場で生まれることを大事にしてくださる方なので、「じゃあ、ここはこうしよう」と言ってくださるんです。セリフや動きを揃えるタイミングや、コメディなので間やテンポが大事だという話はよくしています。

― コメディ特有の間を掴むのは難しいですか？

染谷　結構、難しいです。共演者のみなさんは本当にお上手です。板倉（俊之）さんも素敵ですし、山崎（樹範）さんも辻本（耕志）さんも素敵で、本当に人間力の高い方々が集まっていると感じます。人間力の高い方々が個性豊かな役を演じていらっしゃるので、稽古はすごく楽しいです。 

■ 稽古中でも思わず笑ってしまうワンシチュエーションコメディー

― 今まさに稽古中ですが、稽古中はどのような雰囲気ですか？

染谷　シチュエーションコメディーなので脚本もすごく面白くて、毎回笑いをこらえるのが大変なくらい、和気藹々としています。

― 稽古中に思わず笑ってしまうことはありますか？

染谷　あります！　劇中で、あるハプニングが起こるのですが、ハプニングが起こった時のみなさんの立ち居振る舞いやとっさに出る言葉がすごく面白くて(笑)。最初から最後までずっと面白いです。

― 染谷さんが思う、本作の見どころを教えてください。

染谷　その場でハプニングやいろいろなことが起こるのですが、シチュエーションコメディーと舞台というのがすごくマッチしていると思います。きっと、観ているお客様もすごく前のめりになって観てくださるんじゃないかな。「え？　ここでこんなこと起こるの？　こんな人、入ってくるの？」とか、「まだこのくだりやるの？　時間ないって言ってるのに！」って(笑)。それが面白くて。舞台の魅力とラジオの生放送の緊迫感と人間力の高い方々がミックスされた素敵な作品だと思います。

― ファンの皆様も上演を楽しみにされていると思います。本作を楽しみにしてくださっている皆様、ファンの皆様に向けてメッセージをお願いします。

染谷　本作は12月24日クリスマスイブまで上演しています。きっとこの作品が2018年の舞台の見納めになる方もいらっしゃると思います。僕は今年、いろんな役をやらせていただきました。今年最後の舞台に、こんなに明るくて面白い作品に携われたことがすごく嬉しいです。みなさんにとっても2018年を笑って締め括れるような作品にしたいと思いますので、ぜひ観にきていただけたらなと思います。

■ 描かれていない部分を大切にして作り込む

― 舞台、映画、声優など幅広くご活躍され、さまざまな役を演じていらっしゃいます。役者として、お芝居をする上で大切にしていること、心がけていることを教えてください。

染谷　作品や役にもよりますが、舞台や映画などすべての作品において、僕が演じる役の描かれている部分は、その人の人生のほんの一部分でしかないと思うんです。描かれている部分よりも、その人が生まれてから描かれている部分に至るまでの方がはるかに多いし、それを大事にすることが大切なんじゃないかなと。描かれていない部分を作り込むことによって描かれている部分が濃くなると思うので、描かれていない部分も大事にしながら演じています。

― 作品によってセリフの量も異なると思います。セリフはすぐに覚えられますか？

染谷　僕、すごく得意な方なんです！　台本一冊、すぐに覚えられるくらい得意なのですが、この作品はめちゃくちゃ苦戦しています。

― どんなところが難しいですか？

染谷　想像のつかないことがいっぱい起こるので(笑)。あと、僕はラジオのディレクター役なので、ラジオの収録ブースで話しているところから何の脈絡もなくブースの外で話す会話に切り替わるのですが、繋がりがないのでその切り替えが大変で…。全然覚えられなくて苦戦しています。共演するみなさんも苦戦しているとおっしゃっていますね。

― 普段のお芝居の時は、台本を読んですぐに覚えてしまうのですか？

染谷　そうですね、一週間もあれば一冊覚えられます。

― すごい記憶力ですね。コツがあるのですか？

染谷　コツはあります。でも、それは内緒です(笑)。

― 知りたいです。何かヒントを！

染谷　セリフを覚えることそのものよりも、どう演じるかが大事だと思っています。覚えることに重点を置くのではなくて、どう演じるかに重点を置けば、覚えることは普通のことに感じられて覚える作業が楽になるんです。何に重点を置くのか、そういうことが大事なのかなと。

― どう演じるかを考えればセリフも自然に入ってくる、ということでしょうか。最後に、これからチャレンジしたいことや実現したい野望を教えてください。

染谷　みんなといるのも大好きですけど、一人でいるのも好きで、一人で焼き肉や回転寿司に行くことも多いです。今度は一人で海外旅行に行きたいなという野望があります。

― どんな国に行きたいですか？

染谷　ボリビアのウユニ塩湖に行きたいですし、オーロラも見たいです。

― どちらも一度は見たい絶景、実現するといいですね。本日はありがとうございました。

撮影・インタビュー・文：出澤由美子
ヘアメイク：MIEKA
衣装：KINGLY MASK

＜PLOFILE＞
染谷俊之（そめや としゆき）
1987年12月17日生まれ。神奈川県出身。
舞台『弱虫ペダル インターハイ篇 The Second Order』 石垣光太郎役、『刀剣乱舞』鶴丸国永役など数多くの人気作品に出演し、近年の舞台作品では『池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE』キング役、『アンフェアな月』安藤 一之役、『御茶ノ水ロック』片山 亮役、『銀河鉄道999』～GALAXY OPERA～機械伯爵役など。現在、 声優では『HUGっと！プリキュア』若宮 アンリ役、『BAKUMATSU』土方 歳三役にも出演している。

舞台『ジーザス・クライスト・レディオスター』

2018年12月12日（水）〜24日（月・祝）全16公演　チケット発売中‼️

【あらすじ】
10代を中心に絶大な支持を集めるカリスマDJ・ジーザスが持つ番組は伝説的な聴取率を誇っていた。
今日は特番で生放送。いつもより気合いを入れて生放送に臨むスタッフたち。
スポンサー社長が来たり、特番のゲストが来たりといつもより準備が大変だ。
しかし、OA直前になってもジーザスは現れない。
番組を止めるわけにはいかないとプロデューサーはジーザス不在のままOAを指示する。
ジーザスの穴を埋めるため奔走するディレクター、放送作家、音響たちレギュラースタッフ。
に加え、なぜかゲストやスポンサー企業の社長、…演歌歌手など様々な人間を巻き込んで番組が始まってしまう。
様々なトラブルに巻き込まれながら、ジーザス不在で無事に生放送を終えることができるのか？

【公演概要】
■原作・演出：西田大輔
■脚色：家城啓之
■出演：板倉 俊之(インパルス)　染谷俊之　八木将康(劇団EXILE) 　中島早貴　安川純平　宮平安春　小槙まこ
／大地洋輔（ダイノジ）／小野寺ずる　肘井美佳　辻本耕志／山崎樹範
(声の出演) 清水らら、藤田晋之介(Wキャスト)、薮内大河(Wキャスト)
■場所：紀伊国屋ホール
■公演日程：2018年12月12日（水）〜24日（月・祝） 全16公演
12月12日（水）19時
12月13日（木）14時
12月14日（金）19時
12月15日（土）13時30分／17時
12月16日（日）13時30分／17時
12月17日（月）19時
12月18日（火）休演
12月19日（水）14時
12月20日（木）19時
12月21日（金）14時
12月22日（土）13時30分／17時
12月23日（日）13時30分／17時
12月24日（月・祝）14時
※藤田晋之介は12/12〜17、薮内大河は12/19〜24の公演に出演となります。

■チケット代：全席指定　8,600円(税込)
公式HP：https://www.mmj-pro.co.jp/jesus-christ-radiostar/
Twitter：@jesus_radiostar