吉田拓郎のトリビュートアルバム、6月7日発売  奥田民生、井上陽水、ポルノグラフィティらが参加、全12曲入り

「結婚しようよ」「落陽」などの多数のヒット曲を生み、日本の音楽界を牽引してきたシンガーソングライター、吉田拓郎のトリビュートアルバム「今日までそして明日からも、吉田拓郎 tribute to TAKURO YOSHIDAが6月7日(水)に発売される。

吉田拓郎のトリビュートアルバム「今日までそして明日からも、吉田拓郎 tribute to TAKURO YOSHIDA」

デビュー当時からライバル視された井上陽水、拓郎と同じ広島県出身の奥田民生やポルノグラフィティ、父親が拓郎の曲をよく聴いていたという鬼束ちひろ、拓郎と公私ともに親しいTHE ALFEEらバラエティーに富んだアーティストが参加している。
2012年以降、吉田拓郎のツアーバンドのリーダーを務める武部聡志の発案で、拓郎が70歳を迎えるのを機に、昨年1月からアルバム制作が始まった。
オープニングの奥田をはじめ、どのアーティストも拓郎の楽曲を自分のものにして歌い上げているのが印象的だ。武部は自らがライブ音楽監督を30年以上務めるユーミンと比べて、こう解説している。

「ユーミンはシンガーソングライターとしての“ユーミンの色”みたいなものが際立っているんで、ユーミンのトリビュートアルバムは、その人の色にならない曲が多い。拓郎さんの曲は解釈でどうにでもなる曲が多い気がしたんです。世の中的には、“吉田拓郎の声”として届いている曲でも、もっと色んな魅力がある。ロックでもないし歌謡でもない。ポップスとして歌い継がれてゆく曲にしたつもりです。今の音楽として、エンターテインメントとして楽しめる音楽だと思います」

「流星」を歌ったMrs. GREEN APPLEの大森元貴は1996年生まれ。拓郎との年齢差は、なんと50歳である。硬質な瑞々しささえ感じさせる出来栄えに、「拓郎の曲だったよな、これ」と思わず自問自答してしまうほどだった。そんな大森がこのアルバムへの参加について「僕の父が吉田拓郎さんの大ファンで、本当に喜んでくれています。それがまたとても嬉しく思います」とコメントしているのも、なんとも微笑ましい。
「吉田拓郎」と聞くと反射的に、思うに任せなかった青春時代を思い出してしまう人にも、余裕を持って聴いてもらえる1枚だ。70年代の音楽に詳しい父親を持つ人は父の日にプレゼントして、お父さんの昔話と薀蓄を聞かせてもらうのもよいかもしれない。

なお、吉田拓郎のトリビュートアルバム「今日までそして明日からも、吉田拓郎 tribute to TAKURO YOSHIDA」を記念したポスターを抽選で3名様にプレゼントします。申し込みは記事の終わりにある応募フォームからお願いします。

<収録楽曲/参加アーティスト>
奥田民生 / 「今日までそして明日から」
chay / 「結婚しようよ」
Mrs. GREEN APPLE / 「流星」
寺岡呼人 feat. 竹原ピストル / 「落陽」
鬼束ちひろ / 「夏休み」
一青窈 / 「メランコリー」
井上陽水 / 「リンゴ」 ※既発音源
髙橋真梨子 / 「旅の宿」※既発音源
德永英明 / 「やさしい悪魔」※既発音源
織田哲郎 / 「おきざりにした悲しみは」
THE ALFEE / 「人生を語らず」
ポルノグラフィティ / 「永遠の嘘をついてくれ」
■発売日: 6月7日水曜日
■形態:CD1形態
■価格:2,800円(税別)
■収録曲:12曲

<楽曲解説> 音楽評論家 田家秀樹

M1 「今日までそして明日から」 奥田民生
やはり企画した時からの人選だったのが奥田民生。吉田拓郎とは広島の同じ高校の先輩後輩。年齢差は19才。オリジナルは71年のシングル。エレックレコードからCBSソニーへの移籍第一弾だった。ハーモニカとギターというシンプルなスタイルの心象風景の吐露。奥田民生ならではの飾らない力強さにリスペクトが込められている気がする。拓郎が卒業した広島修道大学(当時商科大学)にこの曲の歌碑がある。

奥田民生
奥田民生

高校の先輩のトリビュートアルバムに参加できる人間が、 世の中に何人いるでしょう?と、しみじみ思っています。 ありがとうございました。

 M2 「結婚しようよ」 chay
意外性という意味では90年生まれの彼女もそんな一人だ。武部聡志曰く「でも、彼女のお父様がその頃の音楽が好きで、色々聞いていたそうです。この曲は僕が選んだんですが、彼女も歌うならこれと言ってくれたんです」。72年1月発売、長髪のプロポーズソング。歴史が変わった一曲だ。オリジナルのカントリータッチ が軽い8ビートに生まれ変わった。武部聡志の師匠・松任谷正隆が初めて拓郎のレコーデイングに参加した曲でもある。

chay
chay
この度、吉田拓郎さんのトリビュートアルバムに参加させていただき、 とても嬉しく光栄に思います。 『結婚しようよ』は、長年歌い継がれている名曲だからこその プレッシャーがありましたが、尊敬する武部聡志さんや素晴らしい ミュージシャンが奏でる気持ちの良い音とグルーヴに身を任せて 自分らしく歌うことが出来ました。 お互いが自然に惹かれあい、 愛し愛されプロポーズをされるという微笑ましい情景を思い浮かべ、 思わず私も「エクボ」が出てしまいました。 武部聡志さんのアレンジによって、原曲とは一味違ったロックテイストの「結婚しようよ」を楽しんで聴いて下さい。

M3 「流星」 Mrs. GREEN APPLE
このアルバムの最大の収穫がこの曲ではないだろうか。武部聡志が「今、一番気になっているバンド」というMrs. GREEN APPLEは、2015年にメジャーデビューした5人組。ヴォーカル、ギターとソングライティング担当の大森元貴は何と1996年生まれ。拓郎とは50才違う。バンドがアレンジして武部聡志が ストリングスを書いた。オリジナルは79年のシングル。発売時よりもその後の評価が高い。まさに世代を超えて届いた歌だ。

Mrs. GREEN APPLE 大森元貴
Mrs. GREEN APPLE
今回、名だたる方々の中で僕たちMrs. GREEN APPLEが 吉田拓郎さんの楽曲をカバーさせて頂けるというのは もう本当に信じられないくらいにとても嬉しく、光栄です。 僕の父が吉田拓郎さんの大ファンで、本当に喜んでくれています。 それがまたとても嬉しく思います。

M4 「落陽」 寺岡呼人 feat. 竹原ピストル
ツアーでは欠かせない定番曲。しかも初出となった73年のライブアルバム「LIVE73」で弾いた高中正義のギターのフレーズが曲の代名詞のように定着している完成度の高い曲。プロデュースは寺岡呼人。彼が連れてきたのが竹原ピストルだった。体当たりな弾き語りライブに評価がうなぎ昇りの76年生 まれ。男っぽさという側面でのうってつけの人選だろう。スチールギターを入れたカントリータッチが新しい旅の味を出している。

寺岡呼人
寺岡呼人

同じ広島の大先輩、吉田拓郎さんのトリビュートに参加させて頂き、 ありがとうございます。 そして「『落陽』を竹原ピストル君の声で聞きたい」 その希望が実現するなんて、こんなに嬉しい事はありません。 永遠の名曲を目一杯リスペクトさせて頂きました!

竹原ピストル
竹原ピストル

拭い去りようのない緊張もそのままに、 とにかく精一杯歌わせていただきました。 寺岡呼人さんにお声掛けいただいたことも含め、ただただ光栄です。 この貴重な経験に恥じぬ音楽活動をしていけるよう、 精進していこうと思います。 本当にありがとうございました。

M5 「夏休み」 鬼束ちひろ
男性の曲を女性が歌う。彼女も意外な人選ということになるだろう。壊れそうな繊細さで知られるシン ガーソングライターが教科書にも載っている初期のスタンダードを歌った。71年のライブアルバム「オンステージ・ともだち」の中で初披露。自分の小学校時代のことを歌っている牧歌的な曲。「彼女の方からこれが歌いたいと言ってきた」のだそうだ。華麗なバンドサウンドは絵日記のようだった原曲に大人っぽい彩りを与えている。

鬼束ちひろ
鬼束ちひろ

両親が吉田拓郎さんの歌をよく聴いてました。 いい親孝行になりました。

M6 「メランコリー」 一青窈
ソングライター、吉田拓郎の中でも名曲に上げられるのがこれ。76年、オリジナルの歌手は梓みちよ。 都会の女性の憂いを湛えたメロデイーは“女歌”の書き手であることを証明した。武部聡志は「ポルトガルのファドのような世界にしようと思った」と言った。彼が「拓郎さんに出会ってプロデュースワークが 変わった」という例が一青窈。「ともかく強いメロデイーを意識するようになった」。この曲はそんな二人だからこそだろう。

一青窈
一青窈
なんて劇場型の女を格好良く描いた曲なんだろうと思って なにがなんでもこの曲を歌いたくて武部さんにアレンジをお願いしました。 ポルトガルのロカ岬を望む酒場で ひとり、女がワイングラスを片手に佇んでいる様子をイメージして 少しスパニッシュ風にアプローチしてみました。 さようならなんて言うつもりじゃなくて まるで誰かに言わされたみたいに とつと口をついて出た事があなたにもあるはず。 最果ての場所に行ってみたくなる時が女にはある そんな女のための応援歌だと思います。

M7 「リンゴ」 井上陽水
吉田拓郎と井上陽水。動の拓郎と静の陽水と言われ並び立ったJ-POPの両輪。何かと比較もされ たライバル的関係でもある。オリジナルは72年発売の「元気です」収録。年間チャート2位の大ヒットアルバム。2分足らずでありながら、字余りソングと言われた言葉のスピード感、ビート感に満ちたトーキングブルースのような曲調が衝撃的だった。彼がこの曲をという選曲もさることながら、こんなボサノバな曲になったのも驚きだ。
井上陽水

M8 「旅の宿」 髙橋真梨子
たゆたうような幻想的なピアノとアコーステイックギター。イントロだけで何の曲かを判別するかは至難の業だろう。しかも歌っているのは女性である。男の旅のロマンティシズムを体現する代表的な曲が、女性が歌ってもそうなのだということを証明している。オリジナルは72年発売のシングル。「結婚しようよ」が爆発的にヒットした次のシングル。5週間連続で一位を記録した。アルバムは同年の「元気です」収録。

髙橋真梨子
髙橋真梨子

昔から大ファンな拓郎さんは 会うと頼れる兄貴のようで 本当に優しく、愛情あふれる温かな方です。 拓郎さんが歌う哀愁あふれるこの歌を 女性の目線からみた情景として 歌ってみたいと思い 2年ほど前にカバーさせていただきました。

M9 「やさしい悪魔」 德永英明
吉田拓郎はカバーアルバムを最初に1位にしたアーティストであることはあまり知られてない。77年 のアルバム「ぷらいべえと」は、セルフカバーも含むカバーアルバム。キャンディーズが歌ったこの曲も収録されている。彼女たちの曲の中で最高傑作と評価の高いのがこの77年の曲。デモテープから拓郎自身の三声のコーラスが出来上がっていたという。徳永英明は、拓郎のバージョンを基に歌い直している。

德永英明
德永英明

吉田拓郎さんとのレコードでの出会いはかなり遅くて『シンシア』が最初だったようです。 今回は『やさしい悪魔』をカバーさせていただきました。
キャンディーズというより吉田拓郎さんの口調に近い譜割で歌わせてもらった記憶があります。拓郎さんと『やさしい悪魔』でコラボできる日を待ちわびております。

M10 「おきざりにした悲しみは」 織田哲郎
その人がどんな風にその曲に思い入れをしているか。その強さがにじみ出ているのがこれだろう。武部聡志曰く「最初は、彼にプロデューサーとして参加してもらおうと思ったんです。シンガーは彼が別の人を連れてくる。でも、自分で歌う、この曲を歌いたいと彼の強い希望でした」。「旅の宿」の後のシングル。決して シングル向きとは言えない苦みのある曲。織田哲郎は1958年生まれ。吉田拓郎と一回り違い。思い入れ以外の何物でもなさそうだ。

織田哲郎
織田哲郎

拓郎さんの曲をカバーする。これは私にとってなかなか過酷なチャレンジでした。 ずっと言っていることですが『歌』とは結局のところ『声』です。声の説得 それがもっとも重要であり、他の要素なぞすべておまけみたいなものです。そして日本のシンガーで声の説得力が最もあるのは拓郎さんである、というのが持論です。それをカバーだと?なんと大それたことを。でも、させてもらっちまいました。私なりに。拓郎さんに最大の愛とリスペクトを込めて最初普通に歌ったら「なんだか違うな?」と思い 結局10時間酒を飲み続け、仮眠してすぐ歌ったテイクがこれです。実は普段から泥酔すると、この歌がいつも脳内で鳴っていました。 そんな私の脳内で鳴っていたサウンドに近いものが出来たと思います。

M11 「人生を語らず」 THE ALFEE
武部聡志がこのアルバムを企画した時に、欠かせないと思った一組がTHE ALFEE。公私ともに親交の深さでも知られている。彼らが選んだのは、74年のアルバム「今はまだ人生を語らず」のメイン曲。「自分たちのステージでもやれるような三声のコーラスに出来る曲にしたいということでした」。代名詞のようだったシンセサイザーのイントロはハードロックギターとプログレッシブロックのようなコーラスになった。

THE ALFEE 高見沢俊彦

THE ALFEE

人生を語らず…僕らが拓郎さんに出逢ったのは80年代初頭。 海のものとも山のものとも知れない3人を、拓郎さんは目をかけてくれた。あるとき拓郎さんが『いいか、絶対にお前らは売れる!だから今をガンバレ!』『本当ですか?』『あぁ本当だ!ただし、音楽以外でな!』『……』。 瞬間、倒れそうになったが何とか3人でこらえた。 夜になれば、お酒の飲み方や、素早い店の移動など僕らは拓郎さんから、色々な事を学んだ。そんな、拓郎さんは今でも変わらない。僕らの前には常に、人生を語らず…吉田拓郎さんがいる。

M12 「永遠の嘘をついてくれ」 ポルノグラフィティ
参加者の顔ぶれのバラエティと選曲の意外性という点では、この曲も双璧だろう。オリジナルは95年 発売のアルバム「LONG TIME NO SEE」。作詞作曲は中島みゆきである。作詞と作曲を別個に依頼 したことはあっても両方を一人のアーティスト、しかもシンガーソングライターに依頼したのは初めてだった。中島みゆきからのラブレターという解釈もある。

※この曲はシンガーとしての吉田拓郎にフォーカスを充てた作品である。ポルノグラフィティの二人が、吉田拓郎のヴォーカルに魅力を感じ、選曲してくれたSpecialなTrackです。

岡野昭仁
広島の大先輩の作品をカヴァーさせてもらえるなんて、 身に余る光栄であります。 お二人のレジェンドで紡がれた作品は、あまりにも眩しすぎるのですが、 それに少しでも近づけるよう、魂込めて歌わせて頂きました。
ポルノグラフィティ

新藤晴一
トリビュートに参加させて頂いてありがとうございます。 自分たちにはない世界観で、とても楽しくレコーディングができました。

企画制作プロデューサー武部聡志
2016年4月に70歳、古希を迎えられた吉田拓郎。言わずもがな、日本のポップス史を語る上で欠かすことの出来ないパイオニアである 。そんな拓郎さんのお祝いをトリビュートアルバムという形でさせて欲 いと 申し入れたのが2016年1月。いつものように眼鏡の奥から優しい 目をのぞかせつつもクールに「武部に任せたよ、好きなようにやりなよ」と言って貰えました。それから1年半がかりでこのアルバムが完成することになり、感無量です。 彼が生み出してきた名曲の数々を、世代を越えたアーティスト達が新しい解釈でパフォーマンスする華やかなアルバムに仕上がったと思っています。いわゆるJポップ以前の日本のロック・フォーク・ニューミュージックなどの流れを切り開き、あとに続くアーティスト、ミュージシャン、スタッフ、 あらゆる音楽に関わる人々に影響を与えた吉田拓郎。 僕自身、彼と 出会った事で、その後の音楽人生が大きく変わりました。そして、音楽に対する情熱を持ち続けることの大切さを教えられました。吉田拓郎と同じ時代を生きた世代から吉田拓郎を知らない世代まで、このアルバムに収められた曲達を「今」の作品として楽しんで頂け たら嬉しいです。 拓郎さん!!これからも元気で、ますますロックな吉田拓郎でいてくださいね!!

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2017-05-29 | Posted in NEWSComments Closed